最北と最南通常であらば交わらぬ事はないであろう刃が交わるのは何の為か肥沃な土地を求めて?魔の知に眠る秘を求めて?市井の民の口に上る噂を幾ら連ねても真実は隠されたままそして戦端は開かれ、空を朱に染めてゆく剣と魔法。血と鋼でのみ語られる歴史の一幕にまた新たな頁が加えられる
■禁止事項・他者の行動・行為を著しく制限、または指定する描写・単騎で戦局に多大な影響を与える描写・俗に言う無敵と思われる行為、行動や描写・世界観が大幅に無視されている描写・その他、不躾であったり、不快に思わせる行動や描写他のスレッドからお借り致しました相手あっての場ですので、上記の事項に注意して頂ければと思います
■大陸地図:http://www.geocities.jp/kichi_k/LG_map/top.html(大判/作成:クロゼット様)http://lgtisiki.blog89.fc2.com/blog-category-8.html(携帯用/作成:コルナ・コルチェット様)作成された御二方に感謝を
「今回はずいぶんと遠い所との戦争なんですね・・・そうなると、どちらの軍が相手側の国に仕掛けるのが早いか・・・それが戦況に大きな影響を与えそうですね」私は、宿で地図を見ながら独り言のように呟きます私は、今回はここから出発する遊軍部隊に加わって相手の国を目指そうかなと思っていますその前に彼と合流するのが先決なんですが・・・「まあ、慌てても仕方ありませんね・・・」私は、地図をしまうと椅子に腰掛けますそして、紅茶を戴きながら彼を待つ事にしました・・・
「確か、この宿だったかな…良かった…居ましたね」指定の宿屋で彼女は待っていた…紅茶を飲み、椅子に座っているフィーナさんの前の席に着く「お待たせしました…しかし、今回は遠征になりますね」今回の戦場は互いに大陸の端に位置する場所である何処に進軍するか…選ぶ場所を間違えれば苦戦は避けられないとりあえず、自分の意見をフィーナさんに提案する「先程、地図で確認したのですが…今回はこのカシナス城砦から船を使って、ガーゼルへ進軍…友軍と共に同地を制圧が主な任務になると思いますフィーナさんは、どうしますか?」最後に一口紅茶を飲み、自分なりの意見を言ってフィーナさんの返答を待つ
兵舎にての準備が終る普段通りの服内には帷子。袖の内には様々な暗器と言っても正確には小手先の道具類だが遅効性の麻痺吹矢、閃光玉に煙幕玉、指弾用の石は道すがら拾えばいい支給された具足類は脛を覆う部位と篭手だけ装備したこれなら然程動きを阻害される事はないさ、行くとしましョうかネ立ち上がると他の兵に倣い外へエルフ以外で構成された師団の一隊に挨拶をして合流する目標地点はレバン沿岸の森林其処で陣を張り上陸するナイトメアの軍を迎え撃つという説明はされましたけれど、本当に着ますかネ?そちらへカシナス城砦の方が危険度は…はぁ、そちらへ配属されたかった物ですま、暇なら適当に…んふ
ライさんの話では、行先はガーゼルという事です確かに、私もそれが1番いいかなと思いました・・・「そうですね・・・ライさんの言う通りにしましょうか・・・♪そうなると、先手を取る為にも早めに向かった方がいいですよね?ではでは、すぐに行きましょう」私は、素早く準備をすませるとライさんと共に、船着場へと向かいました・・・
船着場に着くと、大勢の軍人が出港の準備を始めている一人の兵士が、話しかけてきた「もうすぐ船が出る、ガーゼルへ向かう者は早く乗ってくれ」もうすぐ、船が出るらしく…出撃する者は急いで船に乗ってくれと言う事だった「この船がガーゼル行きの船のようですね…では、フィーナさん、乗り込みましょう」少しタラップを進み、フィーナさんに手を差し伸べた
船着場に着くと、丁度ガーぜルへの船が出る所でした先に船に向かったライさんから差し伸べられた手に掴まって私も船へと乗り込みます「ふふっ♪どうもありがとうです(^^)」彼にお礼を言った後に、私は周囲の海を見渡します「どうやら、今の所敵からの攻撃はまだ無いようですねこのまま、ガーゼル上陸まで無事に行ければいいのですが・・・寒空の中、海には落ちたくないですからね・・・(^^;」私は、北の海を眺めながら、そんな事を呟きつつ彼と出航の時を待つ事にしました・・・
フィーナさんの言葉に冷汗が流れる流石にこんな季節の寒中水泳だけは勘弁して欲しい「流石に今の季節で寒い海の中は嫌ですねぇ…まぁ、ガーゼルに到着するまで敵襲が無ければいいのですが…」船出の合図である、鐘が響き渡った後…水夫の声が木霊する「船が出るぞ〜〜〜〜〜〜〜〜」タラップが離れ、ついに船が動き出すガーゼルに向かって進軍である「さて、これからどうなりますか…?」
船は無事にカシナス城砦を出発して順調にガーぜルへと向かっていきます今の所、相手の影はまったく見えません「そういえば、ナイトメアは最近の度重なる戦争で国内の兵力が疲弊してるなんて噂も聞きましたが今回、まだ動きが無いのも、その辺のせいかもしれませんね・・・」そんな事を話しながら、穏やかな船旅がしばらく続いた後ようやく前方に陸地が見えてきました相手国への上陸は、もう間もなくのようです「さて・・・相手はどう動いてくるでしょうね?」
現在の所、問題も無く船は上陸し、タラップが降りて兵士達が足早にガーゼルに乗り込んでいく…あまりの進みの良さに、逆に兵士の中には困惑する者も多かった…「あまりにも穏か過ぎますね…ナイトメアはそれ程疲弊しているのでしょうか?」フィーナさんの言葉を思い出し、タラップを降りる上陸して、フィーナさんに話しかける「フィーナさん!これからどうします?ここはしばらく様子を見たほうが良いと思うのですが…」敵軍の気配の無いガーゼルに眼を向け、軽く深呼吸をしてフィーナさんの答えを待った
しばらく様子を見たほうが良いというライさん・・・確かにこの静けさの中相手が疲弊してても、潜んでいたとしてもこの場合、慌てて突っ込んでいく必要は無さそうですね「そうですね・・・少し相手の様子を伺う意味でもその方が良さそうですね」私は、彼の意見に同意し、しばらく様子を見ることにしました・・・
上陸して間もなく、無数の火矢が降り注ぎ、周囲を焼く…がここは水が多い海辺だ船を焼くつもりなのだろうが、部隊長が水夫達に向かって檄を飛ばしている『慌てるな!すぐに水をぶっ掛けて消しとけ!簡単に燃え尽きる船じゃないだろうが!!傭兵部隊!前線維持を頼むぞ!ボヤが消えたら弓兵はデュラハンの連中に有りっ丈の矢をぶち込んでやれ!』
火矢の攻撃の後、こちらに突撃してくるデュラハン部隊どうやら、部隊長殿はこの程度の奇襲位は予測済みだったようだここまで簡単に上陸出来れば誰でも疑うのは当然である「フィーナさん、ついにお相手が着ました…敵隊長を撃破し、蹴散らしましょう!」剣を抜いて、敵軍の部隊長を探した
遂に敵からの襲撃が始まり、火矢が降り注ぎ一部の油断していた兵がその餌食にあいますしかし、大多数の兵はすぐに迎撃と船への対処を始めましたライさんも剣を抜き、相手の将を探し始めます「そうですね・・・相手の部隊の構成を見た感じ指揮官以外は闇より生み出されたものばかりのようですなら指揮官を倒せば、兵の士気も落ち易いでしょう・・・」私もライさんに続きながら、敵の隊長を探しました・・・
部隊長は、状況を確認していた未だ、火矢は飛んで来ているが、全ての船を燃やせる訳でもない寧ろ簡単に船が燃える程、準備が出来てないという事は軍艦においては有り得ない『海水を船全体に掛けて、火の回りを悪くしろただし、火薬は濡らすな!敵の魔法攻撃部隊に目掛けて艦砲射撃を仕掛ける!今は真昼だ!敵の射線を見れば場所は明白、後方部隊に砲弾を撃ち込んでやれ!』水夫達は手際良く、大砲の準備を始める魔法と火矢が放たれてくる射線の元に狙いを定め、砲弾が大砲の中に詰められる『チャリオットの進軍を止めれば良い!黒服黒マントの傭兵!お前が使え!!』
部隊長は自分に向かって、魔道書を放り投げてくる確かに使えない事はないが、魔道書に内蔵された魔力量を感じても一回ぽっきり程度だろう「了解しました!部隊長殿!」部隊長に敬礼で返す部隊長の方も力強く敬礼で返してきた水夫の一人が部隊長に砲弾の準備が出来た事を報告する『司令!砲撃準備、完了致しました!』『よぉし!撃てぃ!!』エルフィネスの戦艦から艦砲射撃が開始されるその砲撃を確認した後、魔道書を開く「魔道書ですか…では、早速使わせて頂きましょう!」
魔道書から魔力を引き出し、術を発動する波を受けて、滑りやすくなった敷石の上ではチャリオットも機能し辛いだろう埠頭に、一筋の隆起が置き、敷石をめくりながら、戦車隊に向かう「後は敵部隊長ですね…」周囲を探してみると、兵士を貪る男が一人いる明らかにこの戦場では異質…人を人と思わぬ男を見つけ、フィーナさんに低い声で話しかける自分でも分かる、声に怒気が含まれている事が…「フィーナさん…あれが敵部隊長のようです…二人で一気に掛かりましょうあれは、全ての人にとって災厄しか与えぬ存在です、即座に退場願いましょう」剣に闘気を籠め、闘気の真空刃を男に向かって撃ち放った…
ライさんが魔道書で味方部隊への援護をした後敵部隊長らしき方を見つけ、私に話しかけます私はその話を聞きながら、相手を見つめます(昔とはずいぶん雰囲気が変わってしまいましたね・・・)そんな思いは表には出さずに、私はライさんに同意しそして、右腕の気を高めます「とにかく、あの状況は止めないといけませんね・・・いきましょう!」私は、ライさんの真空刃にあわせて、数発の気弾を相手に向かって放ちました・・・
静かなものですネェレバン沿岸の森林に陣が張られて暫く経過するが、散発的な戦闘はあれど大きなものは未だ起こっていないこれでは当てが外れたのも良い所だ予想は当たりましたけれど、ネェはぁ…と溜息が洩れる前線は此方ではなく別の所。こういう時は大抵当たらない物だが、当たって欲しくない時に限って予想と言うものは当たるらしい配給された食事の最後の一口を放り込んで飲み込むと、座っていた丸太から立ち上がりパンパンと尻を払う偵察小隊への呼び声がかかったのだま、暇潰しにはなりますかネくぁ、と欠伸を噛み殺すと集まっている仲間の所へ果たして敵は見つかるだろうか
目の前の男が自己紹介をするこちらも名乗ろうかと考えたが、自分としては即刻帰って欲しい関係の存在だ、名乗る必要も無いだろう周囲の兵士の中には仲間の仇を取ろうと再び飛び込もうとしている者も居る低い声のままで周囲の兵士に言う「ここは任せろ、戻れ」周囲の兵の中には、まだ掛かろうとしている者も居る今度は、声を上げてもう一度言う「ここは任せろと言っている!!」
流石に、兵士達もここまで強く言えば引く者も出る小隊長の男だろうか、自分とフィーナさんに向かって話しかけて来る『了解、無理するな…我々は周囲のデュラハンを叩く』その言葉に、小さく頷いて答える周囲の兵士達の中には涙ながらにこの場から離れているものも居る友人が居たのであろう…家族が居たのであろう…親しい者が亡くなれば誰しも涙する…目の前で笑顔で人の命を奪う男に言う
「狂血鬼…名は体を現す言った所でしょうか?私の知っている限り、バンパイアとは血を吸う事により相手の能力を計る事のできる種族…他は普通の魔族と変わらないが、英知に優れた種族と聞いていましたが…貴方を見ていると、そんな話すらも嘘に聞こえますよ狂犬の様に所構わず噛み付き食い荒らす…正に狂血鬼…魔族の王、ルルエラも地に落ちたものですね…こんな狂犬を戦場に出すという事は、ナイトメアも相当人手が足らないと見た…」右手の剣に闘気を流し、左拳に闘気弾を具現する最初に左拳の闘気弾を投げつけ…その後、剣を振り下ろし真空刃を放った「貴様の様な狂犬は鎖に繋がれて、遠吠えでもしていろ!!」
殺戮を楽しんでるように見える相手の姿にライさんは嫌悪感を示し、相手を罵倒しますそして、周りの兵を引かせ、こちらに注意を向かせます(これで、少なくとも相手の無駄な殺戮だけは抑えられると思いますが・・・後は、彼にどうやってダメージを負わすかですね・・・)何故か思ったより冷静でいられる自分が不思議でした本来なら、私もこういう惨状には怒りが沸き立つ所ですがそれ以上に感じるこの場の違和感みたいなものがそれを妨げているのかもしれません少なくとも相手に竦んでる訳では無いようですが・・・
ここで、ライさんは相手に向かって闘気弾を投げつけ、さらに真空刃を放ちます私は、構えたまま、その横で氷の呪詛を解放し気と共にさらに高めていきます(彼には、さっきのような中途半端な攻撃では駄目ですね実際の所、思い切り殴っても、ある意味大丈夫みたいですし最後まで全力でいきましょうか・・・)私は、構えたまま敵の動きを目で追い、隙を伺いました・・・
瞬間的なスピードでも距離が有れば備えも出来るこの世に無敵のスピードなど存在しない御託を並べ、獣呼ばわりされれば怒ると思いきや嘲笑する程度の相手では挑発も無意味左腕に闘気を集中させ、小型の盾の様に闘気を形成する流石に相手のスピードは早く、闘気で形成された盾は砕け散る左腕に多少の痺れが残っている…これ位のダメージなら後でフィーナさんに治療を頼めば良い
「所詮、貴様は獣程度の感情しか持ち合わせていないという事か私達が行っているのは、『戦争』だ…誰が獣の捕食する姿を見て楽しむ奴が居る?戦が終われば、矛は収める…縄張り争い程度に戦争を考えているのなら戦場に出てくるな名も無きの兵士達はお前の食事じゃない…しかし、所詮獣の頭しかないお前に何を言っても無駄か」闘気を剣に溜めて、フィーナさんの下に向かって飛び退く男の足元に向かって剣を振り下ろし、砂塵を舞い上げる「フィーナさん!今です!」
「私は、セリオさんの言う殺す覚悟や殺される覚悟なんてしていませんよたとえ戦争でも、私は人の命など欲しくありませんそれと食べ物は大地の恵に感謝して頂くもの・・・ましてや食物は連鎖するんですから、格を付ける物では無いですよねあと、食事は『みんなで』楽しむものだと思いますよその方がさらに美味しく戴けますからね・・・」そこまで呟くと、私はさらに呪詛と気を練り上げます「もっとも吸血鬼さんに集団で血を吸われるのは今のうちにお断りしておきますので・・・」
その時「食事」を済ませ回復した彼が瞬時に詰め寄りライさんに拳を叩き込みますしかし、そこはライさんが闘気の楯でうまく防御すると私の近くへ飛び退きながら彼の足元に向かって剣を振り下ろし、砂塵を舞い上げます「では、しばらく寒さに凍えて貰いましょうか・・・」ライさんの声がかかった瞬間に私は両腕から、圧縮した冷気弾を彼へと放ちました・・・