深く茂る森林に、獣の咆哮が木霊する。森を護るエルフの国王に、猛る獣の長が牙を突き立てんと迫る。深き暗き洞窟に、エルフの放つ銀の矢が疾る。戦いの果てに、何があるのか。 足跡を、刻んでいこう。
・他者の行動・行為を著しく制限、または指定する描写。・単騎で戦局に多大な影響を与える描写。・俗に言う無敵と思われる行為、行動や描写。・世界観が大幅に無視されている描写。・その他、不躾であったり、不快に思わせる行動や描写。・応対に時間の掛かる場合は何らかの手段で連絡を上記は注意事項です。相手が居るという事、お忘れなきように行動を。
◎大陸地図http://www.geocities.jp/kichi_k/LG_map/top.html(大判/作成:クロゼット様)http://lgtisiki.blog89.fc2.com/blog-category-8.html(携帯用/作成:コルナ・コルチェット様)御二方に感謝を。◎記録保管所http://lgcabinet.web.fc2.com/大聖堂(主に外交の間)の記録保管所を作成致しました。過去の戦史書を纏めてありますので、ご活用頂ければと思います。
「次の国はビーストアークかぁ」大陸地図を眺めながら、呟く。海を無視すれば、かなり近い国、と言っても良いだろう。「海路から行くか、陸路から行くか…」海路からは一直線。多分相手国も同様に、海からの軍は多いと思われる。逆に陸路は、解放軍、ルドラムと、二国も跨がなければならず、時間がかかる。もっとも、ルドラムは公国の手で落とされている。味方の軍も配置されている可能性が高い。「どーすっかなぁ…」まだ。あの時の一撃は肩に残っており、この状態ではあまり前線に行くのには向いていないだろう。少し悩んだ後、精霊は戦場に向けて飛び立った。
ドルコダ北部。レバンの船着場がある以外、公国内の領土ながら拠点がない地域。その空を、外套を風にたなびかせながら空を飛ぶ男の姿がある。「そろそろ海岸も見えてくる頃か…」陸路か海路。道はこの2つに絞られる中、男は海路を選んでいた。陸路はルドラムも落とした手前、通りやすさはあるものの地味に時間がかかる。また、相手国の本拠地も近い分、神都コブムまで着く頃には捕捉されている可能性が高い。海路は海路で距離が短い分、短期集中で戦力はあるだろう。ただ、海で渡るにはその渡り先の幅は広い。
魔獣の巣窟に行こうものなら自殺行為だが、ナディゴスからゴラル経由であればまだ隙がある可能性があった。それに、単騎でも空からであれば高度を調整すれば陸路よりも身軽に動ける上、退くも攻め入るにも距離が容易い。怪我が完治し切っていない事を考えれば、切り替えをしやすいのは助かる部分が多分にあった。目指すはドルコダから北上、海に出ては角度を変えてのナディゴスへ。
精霊は、まだ国内にいた。打って出るよりも、護りに入った方が良さそうだと判断したからだ。「しっかし、深い森だなぁ」他のエルフ兵について歩きながら、精霊は感嘆の声を上げる。よそ見していると迷いますよ、と囁かれ、肩をすくめた。「そんときゃ空上がるから平気〜」くすくす笑うと、静かな森を改めて見回す。戦争の空気を読み取っているのか、動物達が動く気配すらない。「確かに、迷いそうだ。あんたらエルフがついててくれないと、 行くべき方向に向かってるわからなくなる」自然の要塞。そんな言葉が思い浮かんだ。
遠く聞こえる歓声。うなだれる獣の兵達。「…勝った、んだ…」猛る牙を鋭い矢が打ち砕いた瞬間。だけれども。「……やっぱり、戦は好きじゃないなぁ…」何度ともなく、口にした台詞。戦場を渡り歩く傭兵が口にするものではないのはわかっているのだが。今まで、幾人もの兵の魂を送ってきた。だからこそ…「好きじゃない」再度口にし、精霊は王宮に向かって飛び立った。