待合室を抜け屋内へ進むと其処は煌びやかな装飾の施されたダンスホール其の周辺にはダンススペースを囲むように軽食やフルーツなどの載ったテーブル壁際をみれば幾つも椅子が設置されている奥の方にはテラスらしき場所への入り口もあるようだそしてホールへ訪れた客人方を持て成す為に動くウェイターやウェイトレスの姿ふと貴方が開けた扉の横へ視線を動かせば、其処にも一人のウェイターが「星降る夜の夜会へようこそお出で下さいましたダンスの曲が始まるまでの間、どうぞご歓談をお楽しみ下さいテーブルには軽食やフルーツ。飲み物は御希望の品を給仕にお伝え下さいそれでは、良い夜会を」
はた、とウェイターが手を叩く「言い忘れておりました今宵の夜会をお楽しみ頂く為、注意事項がございますまず、ペアのお相手をお捜しの方はまず待合室へ。他は…・関わった人の反応が遅くとも待てる余裕を・他者の行動や行為を著しく制限しない・他者を勝手に動かす描写は控える・不快に思わせる描写はしない以上4点を御守り頂ければ、今宵の夜会を十二分に御楽しみ頂けるかとそれから、お時間のある時にこのカードにお目通し下さい込み合った会場の見通しを良くする為の秘訣が書いてございますそれでは、一夜の夢が良きものであられますよう」
手渡されたカードを見れば、下記の記載【会場を見易くする為の秘訣】●レスタイトルに一工夫状態と目的と名前を記載して会場を見やすくしよう●状態【フリー】:フリーの方(ペア探しは待合室にてどうぞ)【ペア】:ペアの方●目的【歓談・○○(相手名)】:歓談をする際に。相手が決まっている場合は相手名を【ダンス】:※ダンス会場内専用【移動】:ダンス会場へのスレッド移動やホール内の移動(テラスや他テーブル等)の際に●名前レスの最後にご自身の名前や表す記号等を●レスタイトル1例【フリー】【歓談】:●●(お名前)以上、ご協力宜しくお願い致します …ホールスタッフ
会場案内外交の間【待合室】…ペア相手を探す場所。質問もこちらへ【歓談室】…ダンスが始まるまで歓談する場所。歓談だけの参加も歓迎です【ダンスホール】…ダンスが始まったら踊りたいペアの方はこちらへ移動を絵師の間【仕立て部屋】…仕立屋、モデルの募集、受け渡しもここ日程【外間】歓談室設置 …7/26〜【絵師間】仕立て部屋設置、絵師募集開始 …7/26〜↓【絵師間】モデル募集 …8/2↓モデル募集〆 …8/9↓納品〆・提出 …8/23↓【外間】ダンスホール設置、ダンス曲開始 …8/24〜9/69/5(金)9/6(土)9/7(日)21:00〜茶会も予定していますよろしければご参加下さい
いよいよ本格的に開催された舞踏会。ウェイター服の襟を念のため直し、会場内を一望する。華やかに飾り付けされた会場に人影はまだ無かった。何となく落ち着かなくて花瓶の花を整え直す。「これでよし」元々見栄えは良かったけれど、心は落ち着いてきた。深呼吸をひとつして背筋をしゃんと伸ばし笑顔を作る。これから会場にやってくるお客様のために。
トレーに磨き上げた追加用のグラスを並べて、厨房のなかで一息ついた。最終確認に不都合なし。磨き上げたグラスに、取り寄せた世界各地の食材、ワインクーラーの中で適度に冷えつつあるワイン。御酒が苦手な方の為には、上質の茶葉を。そろそろ開始時間を過ぎたころ。ワインクーラーに氷を補充してしまうと、後は御客様を待つばかり。なんだか手持ち無沙汰かしら、エプロンの紐を結び直す。そわそわと動き回りたくなる気持ちを宥めるばかり。
煌びやかな装飾の施されたダンスホール。「うわぁ…」緊張した面持ちで入り口の扉の隅から中を覗き込んだ私は、少々圧倒され思わず声を漏らした。まだ着替えていないため、服装は普段の巫女服と魔女帽子のまま。少し場違いだったかもしれない…。会場にはスタッフの方が何人か準備を進めているのが眼に入るが、お客さんらしき人はまだ誰も来ていない。しかし、これから賑わってくるだろうと思うと緊張と共にドキドキと期待感が湧いてくる。とりあえず、会場内に入り隅っこのほうで様子を見ることにした。
頭の先から足元までを覆うフード付きの外套を纏った大男が、辺りを見回しながらホールへと入り込む。華やかな場には余り相応しくない格好だったが、質の良い布地の物を被り、胸元には花を飾ってそれらしく見せようとはしていたふむ…。連れを待つのはこちらでも良かったかな会場内を見回し、まだ始まったばかりだということを確認すると室内の調度品を眺めながら、風通しの良いテラスへと歩いていく。通りすがら、会場の隅で緊張している様子の少女に、初対面のつもりで声をかけた。「慣れないと、真似をするべき者でもいないと戸惑うものだな」
歓談室に目をやるといつの間にか客の姿が。少女が一人と、フードを被った青年が一人。先ほど待合室のお客にも飲み物を勧めたように飲み物を適当に見繕ってトレイに乗せる。「いらっしゃいませ、レディ、ミスター 外は暑かっただろう?飲み物はいかがかな」生憎接客マナーは習っていないので出来るだけそれらしい仕草を気をつける。改めて顔を確認すると両者共に見知った顔だった。そして、少々場にそぐわない格好をしていた。「ミスター、暑くないか?」下がどうなっているかはわからないが、恐らくこれが彼なりの正装なのだろう。それでも気になったので思わず問いかけてしまう。
「レディは飲み物と一緒に帝国のドレスなんかいかがかな 花は愛でられるためにあるというよ」ちっともついでではないけれど、きっと似合うだろうから勧めてしまう。会場にはその為の衣装が山と用意されているのだから。あまり強引に勧めては失礼に当たるし、そもそもスタッフなので歓談の邪魔なんて野暮をするわけにはいかない。「では何か用があれば遠慮無くお申し付け下さいませ、 お二方とも良い夜を」ふっと笑うと会釈ひとつ残し、軽快な足取りで壁際へ戻る。慣れない喋りに乾いた舌を客からは見えぬようシャンパンを煽り湿らせる。「不良スタッフここに極まれりって感じだな」それもまたスタッフの特権なのだが。
結局待ちきれなくなり厨房から出て、ホールの様子を伺いに行く。耳を欹てると、客人が御越し下さったよう。内容までは聞きとれないが、ウェイターの彼が応対する瓢々然とした声が聞こえた。どんな方がいらしたか知りたくて聞き耳を立てていると、何となく聞き覚えがある声。もしかしなくても。驚かせては失礼と、ゆっくり歩んで声をかけた。「ようこそ御越し下さいました。 ミス・リリティア。ミスター・ファンデムも。 今宵の月は如何でしょう? どうぞ何なりと御申しつけ下さいませね」笑顔とともにエプロンを摘んで一礼すると、ミーティアさんを探そうと首を巡らす。手伝いと称して必要時まで、居座る気満々だ。
(ティエン、もう客が来たようだぞ)「ちょ、ちょっと待て」現在化粧室の鏡の前で、ネクタイと格闘中。焦れば焦る程出来なくなる。曲がってしまったり、長さが足りなかったり。普段ネクタイを付ける機会なんてないものだから、いざという時に焦ることになる。(…まだか)「五月蝿い、二翼。黙ってろ」翼に口が付いていれば、溜息が聞こえそうだ。「これで…いいかな?」何とか体裁を整えたつもりだが、微妙に不格好だ。しかしもう時間がない。「い、いらっしゃいませ」慌てて飛び出たものの、既にお客には他のスタッフが付いていた。「向いてないのかなー、この仕事」短時間で挫折を味わった気がする…
煌びやかな室内、人々の話し声の途絶えぬ中また、扉の開く音がする入ってきたのは、白と黒の男が二人片方は白のコートを身に纏い、ポケットに手を入れたままキョロキョロと辺りを見回しているふと、視界に入ったウェイターらしき人に一礼をすれば彼は微笑を浮かべて、室内の軽い説明を「ありがとう」服はあとで着替えるから、今はこれで許してねなどと小さく告げると、テーブルに歩み寄りフルーツを次々皿に移していくどうやらダンスを踊りにきたのではなく皆との歓談と美味しい果物目当てのようだ「あれ、伯爵?伯爵は何か食べたりしないの?」まだ入り口に居るであろう黒の男を振り返り、呼びかけた
煌びやかな装飾が美しい扉。その扉をスーっとすり抜けて中に入って行く幽霊がいた。「…あっ」中に入って何かに気付いたみたい。それは…いつもの癖で扉をすり抜けて入ってしまっていた事に。あたふたした様子で外にフッと戻っていきしばらくして扉をあけて恥ずかしがりながら中へ入ってきた。…流石にすり抜けて入るのは行儀が宜しくないと思った幽霊は入ってくるのをやり直したらしい。誰も見てないよね…?っと心で願いながら、着慣れないドレス姿で先を進み、何故か落ち込んでいるようなスタッフ様に声をかけた。「…お飲み物、頂いてよろしいでしょうか?」
其処には絢爛豪華なホールが広がっていた美味しい食事と目の保養、そして勿論愉しむ為に、と男2人で連れ立って来た舞踏会入り口にて説明と言祝ぎとをくれるウェイターに礼を言い、室内に所狭しと施された装飾を眺める次いで連れへと視線を移せば、彼は既に素早い動作で自身の目的を果たしていた流石だ、とそんな姿を眺め小さく笑っていると、不意に彼から呼び掛けられる「そんなわけ無いだろうリズ君、 折角来たのだから勿論私も頂くよ」『伯爵』と呼ばれた黒のスリーピースを身に纏う男はそうして白を纏う連れに笑みを返し、漸く煌びやかな室内へと足を踏み入れた
っていうか、覗き?お針子姿で会場を覗く人影一人緑の爬虫類系の尻尾がスカートの裾をからと…「ぁーキレイに会場も出来上がったねぇvぉ〜〜〜もう、人もいるし(伸びあがりホール担当も頑張ってるねぇ!!」(小声?どうやら…会場が気になって”覗き”に来たようです「ぁー美味しそう…」視線はテーブルの方へ…あちこち彷徨い…伸びをしたり飛び上がったり…(目立つって!「お客様?会場に入るんですか?」(誰?「ぁ・・・え〜っと・・う〜〜〜まだお仕事が・・・」ふるふると首を振りながら答えると…ひょいっと首元をつかまれる「はいはい」(連行「み"ゃ〜〜〜〜」(何して…
ふと気付くと給仕から飲み物を勧められていた礼を言って受け取りながら、その相手が見知った顔だと気付く「おや、ミーティアだったか…久しぶりだなスタッフをしているのか華やかな催し、楽しませて貰っているよ。ん……?ああ、夜は大分涼しいから助かる」新たにホールを訪れた客へと視線を巡らせ「連れと共に衣装を借りに行こうかとまあ、少し待って適当に替えてくる」ドレスを勧められる少女を横目に見、衣装替えをするなら女の方が喜ばれるだろうしな、と付け加えたそして後方から現れた娘へは恭しく礼をして見せた「やあ、アンリエッタ。先日はどうも今日も世話になる。また料理の話が聞けそうだな」
「それでは、一夜の夢が良きものであられますよう」カードを手渡すと恭しく頭を下げて新たな麗人をホールへと送り出す扉の傍に控えて最初に人を出迎える仕事普段経験しない分野だけに非常に面白いとはいえ、緊張してしまうのは御愛嬌最初に行う説明やカードを渡す仕草に失礼が無いかと気の休まる暇が無いやれやれ、これは確かに交代で無いと勤まらないな客の途切れた合間を縫って、ふっ、と一息ついて会場内を見渡す段々と人気が出てきて華やかになってきている場内を見るだけで気分の高まりを感じられたそういえば、と思い出して呟く「良い夜会を」自分に告げて軽く笑うさぁ、次の麗人の出迎えを
(もう、此処へ来ているのだろうか…)家に迎えに行ったが、不在だった遅れたときには先に行くよう伝えてあったから…きっと、もう来ているのだろうゆっくりと階段を上りながらやはり己には相応しくないと、今更ながら腹の内で苦笑いするまあ、誘ったのはわたしなのだから最後までなりきってみせようではないか(…あ)考え事をしながら歩いていた為に、階段に足を突っかける階段に手をかけ、転倒だけは防いだほう、と溜め息を吐くふと見上げると、給仕がいた妙な顔付きをしているので、一連の様子を見られていたのだろう「…やあ、よい夜だね」間抜けな挨拶をする我ながら、少々緊張していた
給仕に案内されながら会場へ行くと既に数名の者が来ていた会場の煌びやかさに圧倒され、思わず目が眩むこのような場所へなど、これまでに一度として来たことが無かったからだ場内を見渡すと、まだがらんとしていた(…ああ、やはり、来ていた)幾人かに囲まれている、小さな姫君を見つけ出す見知った者も側にいたけれども、通り過ぎ、真っ直ぐに姫君の元へと向かった姫君の様子が、何やらおかしかったからだ「小さな巫女の姫君…お待たせ、し過ぎた…かな 何やら、とても眠そうだね」近くにいた、係の女性に声を掛ける「…すまないが この姫君を別室で休ませることは出来るだろうか」
ある意味その場には似つかわしくない少年が一人落ち着いた足取りで歩むと絢爛豪華な扉の前で止まり、そっと手をかける。少年にはまだ踊る相手は決まっていない。退屈しのぎに賑やかな場所へと向ったのだ。「随分と賑わっていますね。…嗚呼。この感覚…久し振りです。」菫色の瞳を細めて穏やかに少年らしからぬ笑みを浮かべると落ち込んでいるスタッフに話しかけている少女に目を止めた。今日は何時もとは違うドレスでこの場所に趣いたようだ。「僕も、飲み物を頂きたいな。…蛍。君も舞踏会に来たんだねそのドレス…凄く似合っているよ」
「むぅ…母上め…。如何すれば此の様な細い服が着られるのだ…」歓談室の入口、派手な赤いドレスの腰の辺りを押さえながら、一人の女がぼやいていた。会場準備の手が空き、歓談でもしようとやって来たが「正装でのご入場を」と止められ、仕方なく母のドレスを拝借してきた結果…どうも寸法が一致しなかったらしい。…が、明らかにワンサイズ程大きいであろう体をねじ込まれても破綻しないドレスは、質と仕立ては上等の様だ。「しかも、此の様な派手な色しか無いとは…」ふぅ、と溜息をつきながら会場の扉を開ける。
…と、扉を開けると同時、見知った友が悲しそうな表情で連れ出されて来る。「おおウィム殿、遅くなって済まぬ……む、どうした?」共に会場へ行ってみよう…と約束していたはずだったが…様子からして、用事が出来ての自主退出…という訳でも無さそうだ。有無を言わせぬ理由で、再度入室させなければ。「…私達は警備の者だ。入らせて貰うぞ。」八割方真実では無いが、鋭い目線で係員を黙らせ扉の中に入る。友の手を引きながら、こっそりと話し掛けた。「さてウィム殿、何から食べようか。」目的の八割は此方だ。
慌しく会場に駆け入る精霊が一人。会場の人に色々訊ねられるが、『連れがいる、衣装は会場で借りる』と言うと、意外とあっさり通してもらえた。何故こんなに慌てて急いで来たのかと言うと、友達の家に入り浸っていたら時を忘れ、急いで家に戻ったら既に出た後だと、留守番の黒犬に言われ、『早くしないと、帰っちゃうかも知れませんよ?』と脅されたからだったりする。そんな精霊の姿は、何処かで見たような、白い長袖シャツに白ジーンズの姿。…正装と言えるものがなかったからである。ドレスはおろか、スカートさえ持っていないし。「おー、皆来てるなぁ…」
が、思ったより、会場は混み合ってはおらず、ドレス姿も少なかった。お陰であっさりと連れも見つかる。彼のフード姿も最近慣れてきた。「ファンデム、遅れてごめんっ」まずは、駆け込んできた時の勢いで頭を下げる。大変格好悪いが気にしない。そして彼が話していた女性に向かって微笑んだ。「よ、アンリエッタ。ここではスタッフなんだって? 今日は宜しくな。 とりあえず…何か飲み物貰える…?」本当に急いで来たので、喉がからからだ。
首根っこを掴まれ会場から移動中蓮さまに救出されるぉーなるほど!そっかぁ、そういう手がありましたか!心の中で拍手を送りつつ…手を引かれ会場の中へ「さてウィム殿、何から食べようか。」そう、こっそりと話しかけられ悪戯成功のような…楽しい気持ちになる「片っぱしからぜーんぶ♪」(マテそう言ってぐーを作った片手をあげるとと、まだ後ろにいるかも?っと慌てて後方を確認してほっと息をつく、イナイイナイ。振り返って蓮さまについて行きながらにこにこと話しかける
「ありがとですぅ♪やっぱり悩んだんですよぅ〜お仕立てもあるしー隠れスタッフだしまだ、遊びに来ちゃいけないかなぁ?ってっていうか、連さまドレスきれ〜い♪似合ってますねぇv」いつもはキリリ和装の蓮さまのドレス姿に今更ながら驚くように声をあげるうんうん、ステキですvそして、ようやく他にも目を向けるぁー…知ってる顔もちらほら…声掛けてもいいのかなぁ?とか迷うまぁ、でも…先にコッチでしょ!いつお仕立てに戻らなくちゃになるかも分からないし!(心の中で言い訳中(ぁ「うわーv美味しそう♪」
長い布が滑らかに動く音に、内心首を傾げる。ファンデムさんが挨拶の所作をとったと知れたが、此処でも外套をまとっているのかしら、と。姿かたちを想像するのは難しくて断念したが。今宵の彼はさながら白馬の王子様のような装いなのだろう、と割と適当に納得しておく。「ええ、先日ぶりですわね。 今宵は各地のメニューをとり揃えておりますの。味も保証致しますわ」そこへ迷いのない足取りが一直線に近付いて来た。姫君とは傍らの少女に違いない。体調がすぐれないと聞き、あわてて耳を澄ますと、就寝時のように呼吸が低く落ち着いている。スタッフでさえ緊張するような場だ、客人なら尚更だろう。
「まぁ、大変…スタッフルームへ御案内致しますわ。 姫君には私がついておりますので、御安心下さいまし。目覚めたらエスコートさしあげて下さいませね。 さ…どうぞ此方へ」そっと少女の背中に手を添え、支えながら歩きだす。数歩も行かぬうちに、今度は聞き親しんだ女性の声が掛かった。「御機嫌よう、レディ・シーファ。 ふふ、漸く御越し下さいましたね。得意の踊りを期待しておりますわよ。 ええと飲み物…を御所望と」まずい。身体があと一つくらい欲しいわ。応えたいが、少女をはやく休ませてあげたいし、流石に手が回りそうにない。トトン、と軽く踵を鳴らして応援要請を送る。耳のいい狼人にあてて。
「…お飲み物、頂いてよろしいでしょうか?」突然話し掛けられ、落ち込んで俯いた頭を慌てて起こす。…気配を感じなかった。声の先には、線の細い女性が…(実体を持っておらぬ方のようだ)二翼から情報が来る。実体を持たない?ではどうやって飲みものを飲むのだろう?不思議に思いながらも、飲み物が乗ったお盆を差し出す。「いらっしゃいませ、お嬢様。 気が付かず申し訳ありませんでした。 お好きなお飲み物をどうぞ」にこやかに微笑み、話し掛けると、心無しか女性に生気が宿った気がした。
菫色の瞳の落ち着いた雰囲気の少年が近付いてきた。「…蛍。君も舞踏会に来たんだね」どうやらこちらの女性とは知り合いらしい。私は彼にも飲み物を差し出した。「いらっしゃいませ、ミスター。どうぞお飲み物を。 良い夜をお過ごしください」2人が飲み物を取ると、軽く会釈をし後ろへ下がる。「う、上手く出来ただろうか」緊張でバクバクいっている心臓の上に手を置き呟いた。(…さあな。あ、待て、ティエン!)緊張のあまり咽が渇き、つい手元にあるグラスを手に取ると、二翼の静止も聞かず、ぐいと中身を流し込んだ。悪気はなかったんだ…(冷汗
会場の一角で、良く言えば健啖家ぶりを発揮する…平たく言うと片っ端から料理を貪り喰らうどっかで見たよーな顔のちっこいのとでっけぇのが二名ちっこい方はすぐに分かった「よぉ、ウィムたん、久しいなぁ、息災やったか?」その身体の何処にそんだけ料理が入るのかと若干、疑問に思いつつ、片手を挙げて挨拶する「舞踏会で踊るには微妙に地味な服装やけど…で、そちらの方は?」一通りちっこい方を眺め回した後傍らのでっけぇ女性の方に目をやるう〜む…確かに、どこかで会った事のあるような気がするのだが…
ちっこいのの傍らのでっけぇの…赤いドレスに豊かな肢体を包んだその姿に確かに既視感を覚えるが…不躾を承知でしげしげと眺め…その青銀の長い髪人ならざる長い耳何よりも特徴的な首筋に刻まれた蓮花の刺青「ひょっとして…蓮の姐さん?」う〜む、女は化けるとよく言うけれど…いやはや…内心、ちょっと動揺しているのを誤魔化すべく手にした酒盃を勢い良くあおってみる
「…ああ 部屋を教えておくれ、わたしが連れて行くから… 今日のわたしには、この姫君をお守りするという大切な義務があるのだ」足取りの覚束ない小さな娘を無理に歩かせるのは気の毒であったし、また、忙しそうにしている者の手を煩わせるのは、やや気が引けた「さあ、行こうか」ひょい、と軽く抱き上げる(おや、…この娘は、本当に軽いのだなあ)強い風などが吹いたら、飛ばされてしまいそうだ…そんなことを考えてから、近くにいた大男と翼の娘に向き直り「…やあ……では、失礼するよ」愛想の無い挨拶をするそれから、小さな姫君を休ませる為に別室へと向かうことにした
ぐるりと会場内を視線だけで一巡する。最初はどれだけ人が来てくれるかと冷や冷やしていたがそれなりには集まっているようだ。早速歓談を進めている姿も見受けられ、安堵の笑みが浮かぶ。さてスタッフをお待ちのお客様は、ともう一度視線を巡らせると耳に聞こえてきた小さな足音。耳の良い者同士で決められた、些細な合図。出来るだけ早足にそちらに向かうと、先ほどドリンクを勧めた少女が何やら具合悪そうにしている。アンリを見ると周りには大勢人が居て、なるほど手が離せないはずだと理解する。代わりに休憩室に案内しようと声をかけるより先に黒髪の青年が少女を抱え上げた。恐らく少女のペア相手なのだろう。
「アンリはそちらのお客様のお相手を。こちらの方は俺が案内しておくから」引き続き歓談をお楽しみ下さいと一礼をして、青年に向き直る。「こっちにスタッフ用だが横になれる場所があるのでそちらへどうぞ」言ってスタッフルームの一室に案内する。「何か入り用だったら遠慮せず呼んでくれ 水はそこにある、室内の物は好きに使ってくれて構わないから」室内を軽く説明して、退室する。ドアプレートを使用中に変えて、邪魔をしないように部屋を離れる。
顔を覗かせる、純白のドレスを身に纏ったちんまい少女。「…わ、わたしも…目立たないようにしていれば…入ってだいじょうぶ、に…御座いましょうか…っ」本人はあくまで隠れているつもり、だが。体半分は出て。緊張で揺れる白翼が目に付く。…例え隠れられていても、その身に纏う甘い花香は隠しようがないのだけれども。おずおずと、煌びやかな室内の様子を見守る事数分。沢山の果物が並べられたテーブルの前に、見知った二人の姿を見つけ、ホールの中へと反射的に駆け出す少女。『アッシュさま…vちーちゃんさ…きゃわぁぁぁっ!!』そして数歩でずざーっと、見事なへっどすらいでぃんぐを決めましたとさ。(哀れ
心なしか、どうやって飲むのだろう?と疑問の顔を向けたスタッフ。「お好きなお飲み物をどうぞ」でもその顔はにこやかに微笑えんだ顔に変わる。…とても良い笑顔。「えぇと…、これを頂こうかしら。」沢山の種類の飲み物があり、選ぶのが迷いそうだ。そんな数ある飲み物の中からカクテルを選び、体を実体化させ、グラスを取った。「ありがとう」そういうと、スタッフは軽く会釈をし後ろに下がっていった。…お酒はあまり飲めないので、少しだけにしようと思っている幽霊。周りを見ると、お酒が凄く飲めそうな方が多い気がする。
グラス片手に、周りをキョロキョロしてると…聞きなれた声の少年に話しかけられた。ルキア様だ。1人だと不安だけども、知っている人が1人でもいると安心できたのか、少し緊張がほぐれたようだ。「ドレス…似合ってますか?…あ、ありがとう、ございますっ」褒められる事があまりない幽霊は、なんだか少し照れくさいみたい。「…いつもの服以外は…滅多に着ないので…肩とかがとても涼しくて…違和感があります」幽霊は自分のドレス姿に違和感を覚えているが…目の前の少年はとても正装が似合う。「…ルキア様はやっぱり…正装が似合います(こくこく」
『片っぱしからぜーんぶ♪』と答える少女に「ふふ、お主らしいな。」と答えつつ、既に足が端のテーブルへ向かっていた辺り、自分も同意見だった。歩きながら、「いや、迷っていたのは私も同じ。お主が居らねば楽しむ機会を失っていた。有り難うな。」言って微笑み、ちら、と自分の服装を見やる。「いや、此は…ちと寸法が…しかし仕立て係に誉められると嬉しいのぅ。」無理に上げられた背中の留め具も喜んで居よう…と感傷に浸りながら、果物を手早く取り分ける。「さ、仕事の前に力を付けよう。」果物が山と盛られた皿の一つを少女に渡し、自らも腹を満たしに掛かった。
果物を平らげ、次は何を…と物色していた矢先。隣のウィム殿に掛かった声に振り向く。おや…、と見知った顔に声を掛けようとしたが、妙な顔で眺められている。…しまった。観察眼も物言いも鋭い宮司殿の事。『服から肉が漏れている』とか、『ぱつんぱつんで服が気の毒』などといった、正しくも恐ろしい意見を浴びるのだろうか…と、後ろ向きな考えで逃げ腰になっていた所『ひょっとして…蓮の姐さん?』と、思いも寄らぬ言葉がやってきた。「!? 呼宵殿…もう物忘れか?…其処まで久方振りでも無いはずだが…」今度は此方がしげしげと眺める番であった。
一般的な騎士服に、式典用の装飾を少し。場の雰囲気に溶け込む程度の格好としては十分だろう。鎧も槍もない自由騎士が会場へと入る。既にかなり賑やか、そして華やかだ。「誰か久しい友人にでも会えれば、と思い来てみたが・・・」会場に入って早々、ポジションに困った。こういう場では入り口で槍を持って立っていることのほうが多かった。先ほど幻灯屋殿を見たが、次から次へと押し寄せるご麗人の相手に忙しそうだった。ソランはとりあえず、グラスを取り、会場を歩き始めた。
ファンデムの近くにいた、りりーの側に、一人の男性が近づく。『姫君』って言葉に、彼女のパートナーだった事がわかって吃驚したが。彼は…巌念は、彼女を抱えてこちらを向く。『…やあ……では、失礼するよ』「あ、ああ」どうやらりりーは、ちょっと具合が悪いらしい。スタッフの一人に導かれ、退室してしまった。
精霊は肩をすくめると、かなり慌ててたアンリエッタの肩をぽん、と叩く。「へへ、お待たせしちゃってごめんなー、ダチん所に遊びに行っててさ。 …ま、りりーは大丈夫だろ、彼が付いてるし。 とゆーわけで酒でもドリンクでも、飲み物ちょーだい」他にも見知った顔はあるみたいだが、まずは喉を潤してからだ。
蓮さまにお礼を言われるとこそばゆい自分も遊びたくってうずうずしてた所なダケだったし「蓮さまも行きたいって言ってくれたから私も来てもいいかなって思ったですよーvこちらこそ、お誘いありがとです」目的のテーブルにつくと果物の乗った大皿を取って貰う「いっただきまーす♪」色々な果物が乗った皿から次々と手に取りもぐもぐと租借していきつつ…前方に視線をめぐらす見事なスライディングが見えた(びくぅ!だ、大丈夫かな?あれは…この間知り合った…ほむ…あの三人はお友達なんだねぇv(もぐもぐもぐ
「ぁー今宵さんだぁ元気ですよ、無駄にダンスはするか分からないし…いいんんですぅ!ぉーv馬子にも衣装〜♪」口に入れた食べ物を飲み込み、振り返ると自分だって、ちっこい癖に!な宮司さんが手を振る地味とかなんとか早速言われたしきっと頭の中では、もーーっと色々言ってる違いないので、早速指をさしてお返しをする地味な私はさておき…隣の連さまに目をとめた様子キレイだから気付かないのか!?(^m^誘った私に感謝するべし♪っと勝手な自慢を頭の中で…いや…口は今、次の果物で塞がってるとかじゃ…(むぐむぐ
舞踏会場の一角―その一角に長い白髪を結った青年が立っていた。彼の名前は黒崎朔耶。パートナーはまだ決まってないが待合室でじっとしてるのも退屈だから会場に来たのである。「…馴れんな」そう正装に身を包み小さく彼は呟くのだった。
取り敢えず2人分の飲み物でも貰ってこようと手近なスタッフの方へと声を掛けようとした瞬間自身の名を呼ばれた気がして振り返る聞き覚えの在る声音に微かに香る甘い花香は確かに友人のもの常とは違う衣装に身を包んだ彼女を見れば自然顔も綻んで「ルクリア嬢…此方だよ,急がなくて良いから足元に気をt…」其方へ向かい乍ら声を掛けるが其の言葉は彼女の悲鳴に掻き消されてしまう見事過ぎるスライディングに思わず目頭を押さえるも,慌てて其の小さな身体を抱き上げた「…大丈夫かい? また転んでしまっても困るから 此の侭リズ君の所迄連れて行くよ」相変わらずだと小さく笑い乍ら,連れの下へと向かい
「ぉー、馬子にも衣装〜♪」はっはっはっ、ウィムたんもなかなか言うようになったじゃないかと爽やかな笑顔に黒いものを滲ませつつ、ちっこい頭をぐりぐり撫でるもっと縮みやがれと念を込めて、かいぐりかいぐり頭を撫でるしかし、この子も素は悪くないのだから着飾れば、見栄えするだろうにと思いもするが月歯目のよーに頬を膨らませ、果実を詰め込む姿にはやっぱり気のせいかしらんと思い直さないでもない
縮め縮めと撫でつつもでっけぇ方、蓮の姐さん…普段は和装の彼女が見たことも無い赤いドレスに身を包みあまり肌を見せない月光撫子が意外に豊かな身体のラインを惜しげもなく…うん、エロいですないや、決して口には出せぬから「こりゃまた、姐さん、見違えたわ」とだけ言うておこうそれがお互いのためってもんですしかし、姐さんもコチラを物珍しそうに見てくるがこんな洋装、似合わぬ事は重々承知誰ぞ曰く、チンピラ半歩手前とか何とか…姐さんの視線を誤魔化すように、懐から煙管を取り出すがその青銀の髪の色に危うく禁煙中な事を思い出し曖昧な苦笑を浮かべて、手持ち無沙汰に煙管をくるくると弄ぶ
にわかに賑やかになった会場に感嘆の息をつくその中に己の相手を見つけ出し、軽く手を掲げて挨拶した「シフ、悪い。外で待っていれば良かったな」自分の外套から花飾りを取って精霊のシャツにつけさせる沢山の翼と衣服の白に、黒色の薔薇が映える。一つこういう飾りがあれば、正装らしく見えるものだ「今日はよろしく」礼をして手のひらを差し出した先ほど話しかけていた少女にもパートナーが来たようだ。これで暇つぶしの話し相手も要らなくなるだろう体調が悪いようだと、声が聞こえそちらの方を見ずに「シフ、飲み物を貰ったら衣装を借りに行こう大分正装の者も増えた」急かす様に手をひいた
狼人に案内されて、青年が少女を連れて別室へと向かいゆく。どうやらパートナーを抱き上げたらしい、遠ざかる背に声をかけた。聞こえているかは分からないけれど、友人として言わずにおれなかったからだ。「りりーのこと…宜しく御願いしますね」ぽんと肩を叩いたシーファさんに、くるりと向き直った。慌てていたのがばれているなら、未熟なスタッフの一言に尽きる。何気なさを装いながらも見逃してと儚く祈る。あぁ暑い、汗が出てきた。「で、ではっ…ですね。 御勧めの白葡萄のジュースを御持ちしますわ」それに、御酒はあまり強くなかったでしょう。早々に酔いが回ると困るでしょうし、と笑って小さく耳打ちして。
傍のテーブルに置かれた、光をはじくグラスの群れ。香りを確認してから、その中のひとつを差し出した。「御待たせ致しました。 ふふ、慌てずとも月満つるまでには時間がありますわ。ごゆっくりなさって」徐々に増してきた客人方も気にかかる。加えてすこし急いた感じのする彼女のパートナーの様子から、頃合いと判断する。着の身着のままだったようで、そのままでは居心地が悪かろう。「衣装部屋ですと、この部屋を出れば案内表示がございます。それに従って下さればすぐですわ。 それでは御二方、行ってらっしゃいませ」腕を伸ばして方向を簡単に示す。そして見送るべく、微笑んで恭しく一礼をしてみせた。
空のグラスの中に、自分の飲んだグラスを紛れ込ませ、素知らぬ顔で厨房に下げる。「・・・バレなかったかな?」(そういう問題でもなかろう)二翼に咎められつつも、新たなドリンクが入ったグラスをお盆に乗せ、ホールへ戻る。あれくらいの酒が顔に出るとは思わないが、気を付けなければ。「おや?新しいお客だ」長い白髪を後ろに纏めた青年が、所在無さげに佇んでいる。「いらっしゃいませ、ミスター。良い夜ですね。 まずはお飲み物でも如何ですか?」私は色とりどりのグラスを、彼の前に差し出した。
「だ…大丈夫かな…?」普段とは全く違う服に苦戦して、思った以上に着替えに時間がかかってしまった。ちゃんと着れているか少し不安だったが、会場からは賑やかな声。もう急がなくては…!扉を開けてそっとホールの様子を伺うと、歓談を楽しむお客や忙しそうに歩き回るスタッフの姿が目に入る。見知った顔も多く、楽しそうな顔に思わずこちらも嬉しくなる。一瞬駆け寄って話したい衝動に駆られたが、スタッフの仕事を忘れてはいけない。とりあえずそれらしくするには…一度ホールから退室して戻ってきた手には数種のグラスを乗せた盆。「いらっしゃいませっ、良い夜を!」そういって会場内を歩き出した。
「もう始まっちゃってますね・・・遅くなってしまいました」ようやくという感じで会場の前まで到着した私・・・しかし、私は戦場から直行した為、格好はいつもの服装のままこれでは、宴の会場に入るのには気が引けます「とりあえず、この服を着替えないといけませんね・・・前みたいに衣装を貸してくれる所はあるのでしょうか?」会場にはおよそ場違いな格好で私は周りを見渡しながらホール周辺でうろうろするのでした・・・
「ありがとう」少年は穏やかに微笑みティエンマ様に礼を言う。パーティー会場は沢山の人で溢れかえっていた。蛍を心配するように菫色の眼差しを向けて少し顔を近づける。「人が多くなってきたね気分は悪くなっていないかい?…滅多に見れないのは残念だけど本当に良く似合うよ。蛍が踊りを希望していたなら僕が真っ先に蛍を誘ったのに」穏やかに微笑み正装が似合うといわれると僕は、何時もと変わらないからと笑った「折角だし僕の友人を君に紹介しようかな…」そう言うと辺りを見渡した。
目線の先には果物に夢中なリズそれに可憐な少女の体を抱き上げた千の姿が目に入る。「お取り込み中でしょうか。…千も隅に置けませんね」彼の様子を目で追いながら見守っていると視線の先に客人の相手をしていたアンリエッタが見えた。この場所からは会話の内容は聞えないがどうやら身振り手振りをして案内をしているようだった。彼女が一礼をしてからそっと声をかける盲目の彼女はきっと音には敏感だと思ったのだ。邪魔にならないようにほんの少し言魂の魔力を込めて静かに声を届ける。「…こんばんはアンリエッタ」
「むぅ…かなり出遅れた感じですね…まぁ、端っこの場所でのんびり今回の舞踏会を眺めるとしましょうか」しかし、服装はまだ借りてないのでいつもの服だ今回も貸し出してくれるとありがたいのだが…周囲を眺めていると、フィーナさんが居たいつもの服でホールの周辺をうろうろしているちょっとした悪戯心が芽生え気配を消してそっと近付く「フィーナさんっ」驚かせようとフィーナさんの後ろからそっと手を伸ばした
「随分賑わってるな…」普段の服装とは一変して、黒いカクテルドレスに髪をアップにした女は会場を見渡す。何人かの知人の姿を見つけつつ、(幻灯屋殿は相変わらず、あーゆー格好が様になるねぇ…ミーティア殿も似合ってはいるが…レンヴァルド殿は落ち着かねぇカンジだな…)トレイを持ったレンヴァルド殿に背後から近付き、「よ、何緊張してんの?」悪戯っぽく話しかけた。
ウェイター服に身を包み、追加の飲み物軽食をトレイに乗せてダンスホールへ、曲が始まるまでの間ホールは歓談を楽しむ方々で華やいでいた。スタッフとして出遅れてしまい、場の雰囲気にも少々のまれ気味、表情には出さないがどうしようかと他のスタッフの姿を探せば忙しそうに動いていた。(これは、完全に出遅れたな;)気負いしていても仕方ないと背を正し、歓談を楽しむ方々へ。決して邪魔にならぬように、けれど細やかで行届いた御持て成しを心がけて。「いらっしゃいませ、お客様。」穏やかに笑み、少しでも楽しんでいただけたらと。
帽子を取り、椅子にそっと寝かせる寒くないようにと、自分の 外套をかけた右手を額に乗せ、そうっと撫でる安らかに眠れる小さな呪いだ静かな寝息を立ててよく眠っている穏やかな表情を見ると、何故だか安心したスタッフルームとはいえ、なかなか豪華な部屋だった装飾の施された長机の上に、軽食を乗せた銀皿が1枚置かれている水瓶2つと、グラスも幾つか…係の者が、休憩時に摘むものだろうグラスに水を注ぎ、飲み干した「…さて」このまま部屋に二人きりでいては…この娘が目を覚ましたときに、不快に思うだろうから…扉の外で待っていよう悪戯をした額の上に、レモンの輪切りを
女性二人に対して、失礼だったり不埒だったりする事を思いつつ辺りを見回すと、他にも見知った顔がチラホラと…黒いカクテルドレスの女性と歓談するウェイターちぃ、面白味の無い格好しやがって…などと、内心で渋面すれどまぁ、今回は野暮はせんでおこうではあるまいか…更に知人を探してみると入り口付近で佇む一人の男が目に止まる普段は無骨な鎧に身を包む武勇の騎士がこの刻ばかりは騎士の礼装を纏いて男ぶりを上げている手持ち無沙汰そうに酒盃を手にする彼に己の酒盃を軽く掲げ、目礼を送る
具合の悪そうな少女とそのパートナーである青年を休憩室へ送った後、予期せぬアクシデントにかいた冷や汗を拭う。彼女も休むことになってよくなればいいのだが。後で様子を見に行こう。またこっそりシャンパンを失敬して、会場内でスタッフを必要としている者が居ないか探す。盛大に転んだピンク髪の少女に思わず駆け寄りそうになったが、すぐに手が差し伸べられたのを見て留まる。「ああ、良かった…」怪我がなければいいんだが、と小さく呟いて会場内を目視する。特に手が足りていなさそうなスタッフも居なければ、何かを必要としていそうなお客も居ない。…いや、入り口に佇む騎士と、それに話しかける青年が。
(あれは、某素敵杖の販売者っ)もう一方も、戦場でよく見かける人だった。真面目な騎士らしく遊び慣れていないのかも知れない。素敵杖の販売者である青年は慣れた様子で話しかけているが、スタッフとして中へ誘導することにする。「失礼、ミスター方。よければもっと中で楽しまれてはどうだろう?」出来るだけ押しつけがましくならないように気を付けるが、そもそも気遣いとは無縁な育ちだ。「中の方が料理も、美しい華も、間近で楽しめるぜ?」華、と強調して、悪戯っぽく笑う。「それとも人混みは苦手かな?」こちらは、騎士に向けて。
待合室の方で朔耶さんに誘われ、彼の手を引いて歓談室に来た。よくよく考えてみたら、女性が男性の手を引くって…こういう場所だと体裁が良くないのかしら?歓談室に入ると既に盛況だった。周りを見渡し、少し感じたことがある。急に恥ずかしくなってきた。普段着ないような色のドレス。「張り切ってこんな真っ白なの着なきゃ良かった、せめて黒にすれば…」
ぐりぐりっと撫でられる久しぶりの感触?「ぬぁぁ〜〜〜縮むっ縮む!」月光に戻れず…天翼に留まるっと決まった時くらいから今宵さんには会って無い気がする月光は…この会場のように今も賑やかなのかなぁ?と…他に視線を移しおろそかになった"撫で"から頭を避けると持っていた果物をかぷっとしながら考えていたスタッフも増えてお客様も増えて賑やか感傷に浸るより…楽しまなくては♪と思いなおしテーブルに振りかえり…次の獲物…もとい、果物を手に取かぷっと「んv 蓮さま、こっちも美味しいですよ〜♪」
(むぅ…?)瞳を開くとそこには見知らぬ天井があった。事態が全く飲み込めない。私はなんでこんな所で寝ているのだろうか?遠くの方から微かに歓談の声が聞こえてくる。ここが舞踏会場であることを思い出す。とりあえず、外に出てみることにする。そこにさっきまで待っていた人がいた。「巌念さん…」状況の全てを理解した気がした。「えと…、ありがとうございます。」ぺこりと頭を下げて、お詫びより先にお礼の言葉が出た。「えへへ、今日はよろしくお願いします」感謝の気持ちを込めてそっと彼の手を取った。額には何故かレモンの輪切りが張り付いている。
歩きながら緊張を解こうと、こっそり盆のグラスを取ろうとした瞬間。「よ、何緊張してんの?」と、背後から声がかかり思わず盆を落としそうになってしまった。危ない…!グラスが無事なのを確認してから声の主の方を向くと、そこには懐かしい顔。「ミネアさんいらっしゃい!…え?アハハ、ちょ、ちょっとこうゆう場に慣れなくて…服もね」やっぱり緊張しているのが傍目でも見えるらしい。顔が赤くなりそうだったが、何とか抑えてスタッフとしての役目を果たそうと笑顔を作り直す。「そ、それはそうと…よかったら飲み物でもどうぞっ」グラスを進めた所までは良かったものの、丁寧な言葉遣いには程遠いのだった。
酒盃を掲げてきた男と目が合った。たしか、呼宵殿だったか。「やあ、そちらはダンスのお相手は見つかりましたか?」こちらもグラスを掲げ挨拶を交わし、グラスに軽く口を付ける。一言二言、言葉を交わしていると、ウェイターが話しかけてた。たしかにこういう場に来たのだ。自ら積極的に行くものだろう。「華を見るのは好きだが、私のような者が触ると 散ってしまいそうで少し恐ろしいのだよ」と、こちらも少し冗談交じりの笑みを返し、中のほうへと歩を進めた。
所在なさげに立っていたら声をかけられる。そこにいたのはスタッフであろう男性だ。「いただこう」そう微笑んで答え、お盆からグラスを1つ取る。ゆっくりとグラスを傾け、飲み終えた後で空のグラスを盆に戻す。そして、やはりまだ気恥ずかしかったのかスタッフだろう青年に一礼すると待合室へと戻って行った。
待合室へと戻り、意を決してネスカート殿を誘い再び歓談室へと彼女に手を引かれ向かう。(立場が逆だな)そう思い、思わず苦笑する。こうゆう場なら男性がリードするものだ。「普段着ない色もまた、味があって良いと思う」そう気恥ずかしそうな彼女に朔耶は優しく言う。言った自分も恥ずかしかったのか、その頬は軽く染まっているのだった。
自由騎士と言葉を交わす「やあ、そちらはダンスのお相手は見つかりましたか?」という問いに「いやいや、バツ2のオッサンはなかなかモテんで困ってんねん」などと軽く肩をすくめてみるもっとも、彼も未だ相手はいない様子「華を見るのは好きだが、私のような者が触ると 散ってしまいそうで少し恐ろしいのだよ」などとうそぶく彼に「百花繚乱のこの場には儚げな温室の花ばかりやなくて容易く手折れん野の花も咲いとるみたいやで?」とでも返しておこうさてさて、愛でるべき花を探しに行った彼に自分も早いとこ倣わねばこのままでは壁の花…もとい、壁際の雑草にでもなりかねんか
「普段着ない色もまた、味があって良いと思う」横に立っていた、朔耶さんがそう言った。(男前な事言うのね)そう思って、横を見やると少し赤くなった彼が居た。………「ちょっと…自分で言って赤くならないでよ」自分でも驚く程消え入りそうな声が出た。本格的に恥ずかしくなってきた。
彼はグラスを1つ取り、飲み干した。そしてグラスを戻し、彼は私の肩越し──待合室の方に視線を向け、そのままそちらへ足を向けた。私はなんとなく彼の後ろ姿を追う。彼の向かった先には、純白のドレスに身を包んだ女性がいた。「…へえ」小さく声を漏らす。彼女はいつも黒い服を着ているイメージがあったが、白い服も清楚で似合うじゃないかと目を細めた。二人は何か言葉を交わして微笑み合うと、手を取り合って再びこちらへとやってきた。
お互い頬を赤らめ、初々しいカップルだ。「いらっしゃいませ、ネスカート殿。お久しぶりです。 今宵はまた一段とお美しい… 白いドレス、とてもお似合いですよ」私は柔らかく微笑んだ。そして少し後ろの紳士にも声を掛ける。「ミスター、美しいお相手を見付けられて羨ましい。 どうです?お二人の出会いに乾杯でも…」彼の前に、私はまたグラスを差し出す。小さくウィンクをし、彼女の分も手に取るようにと促した。
『シフ、悪い。外で待っていれば良かったな』侘びの言葉と共に、黒いバラをつけられる。そういえば装飾品の一つもつけて来なかった自分が、少々恥ずかしくなる。そんな自分の気持ちを知ってか知らずか、『今日はよろしく』と、手を差し出された。「…うん、今日は宜しく、な」それに手を重ねると、近くにいたアンリエッタが、『御勧めの白葡萄のジュースを御持ちしますわ』少しだけ上ずった声を上げ、心遣いを耳打ちしてから、ジュースを取りに行った。…焦ってたっぽいことは、言及しないでおこう。彼女の後姿を見ていると、手を引かれる。
『シフ、飲み物を貰ったら衣装を借りに行こう大分正装の者も増えた』「…う…? あ、うん」精霊は、一瞬遠くを見るような瞳をした後、慌てて頷く。ふと周りを見回すと、人が増えていることに気づいた。アンリエッタも自分達の様子に気づいたらしく、飲み物を渡して来た後に、案内をしてくれる。精霊は一つ頷くと、グラスの飲み物を飲み干した。「よし、おっけー。行こうぜ、ファンデム! アンリエッタ、有難うなー。お仕事頑張れよっ」スタッフの友の肩をぽんと叩き、思わず彼の手まで振り回しそうな勢いで、衣裳部屋に向かおうとする。
「ミネアさんいらっしゃい!…え?アハハ、ちょ、ちょっとこうゆう場に慣れなくて…服もね」無理に作る笑顔が初々しくて可愛い。(トレイひっくり返さなきゃいいけど…)久しぶりに顔を合わせた知人を懐かしく思い、頬が緩む。「そ、それはそうと…よかったら飲み物でもどうぞっ」トレイを差し出す彼に、「あぁ、さっきミーティア殿に飲み物はもらったよ」左手に持ったワイングラスを軽く掲げる。「馬子にも衣装とはよく言ったモンだね…イメージが随分変わった」くすくすと小刻みに肩を震わせて、知人の緊張で堅くなった姿を一頻り堪能する悪趣味ぶりは健在で。「ま、仕事頑張ってな」最後だけ柔らかく微笑んで。
精霊より労いの言葉を頂いたのち、背筋を伸ばしたところで私を呼ぶ声がする。魔力を宿したその静かな響き、新たな声の主もまた友人のものだ。客人にぶつからぬよう心掛けると自然ゆっくりめの足運びになる。差程離れていない距離。この辺りかしら。辿っていた細い糸のような魔力がふつりと途切れるのと、位置をおおよそ特定したのはほぼ同じだった。「御機嫌よう、ルキアさん。 此度の夜会にようこそ御越し下さいました。 あら…そちらの方は御友人ですか?」一瞬、生ある者ではない人物に意外そうな表情を浮かべてしまったが、彼の傍に佇む気配に興味を示す。柔和な笑顔で彼等に相対し、腰を落として礼をとった。
ひっそりと部屋の端に現れた少女が一人、辺りの様子を興味深げに読んでいる。「ふーん、こういう雰囲気は悪くないね。ママも来たら良いのに…」ぽつりと呟く。大勢の人が集まる場所は彼女にとって初めてだが、なかなかに気に入ったらしい。「さてと…、小腹も空いたし何か詰めておこ」少女の眼は閉じているが、しっかりとした足取りで軽食やフルーツの並べられたテーブルに近づく。
触ると散ってしまいそう──なるほど騎士は言うことが違うと内心感心する。その生真面目さが滲み出るような言葉に、ある種の尊敬を覚えてしまう。会場内へと足を進める騎士に「よい夜を」と小さく告げた。「そちらも粋なことを言うねぇ、百花繚乱とは上手い例えだ」野の花の方が好みなのだろうかと思いつつも、探るのはスタッフとして少々無遠慮だろうから控えておく。「…モテないようには見えないがな、ミスター。レディ達に歯の浮くような台詞の一つでも言ってみてはどうだろうか」率直な感想とアドバイスを述べて、薄く笑う。「こういう場ならあまり照れも入らないもんだぜ」勿論向き不向きはあるのだが。
「ふぅ…エントリーは済ませてきたし…後はパートナーが決まるのを待つのみかな」待合室から移動し歓談室へと向かう既に歓談室には人がたくさん入っていた「こういった場所はあんまり得意じゃないなぁ…」などと小言を言いつつ中に入る部屋を見渡すと知り合いもちらほらと見られる気分良く会話が弾んでいるのを見てふふと微笑する友人が楽しそうにしている姿はを見る事は本当に嬉しい「もう少しお酒でも入れようかな」そうつぶやくと近くのウェイターに声を掛けた「ええと、お酒はどこにありますか?」
…の拍子に、手から離れて風に飛ばされる一枚の紙。エントリーカード。実は、待合室にも寄り、記入は済ませていた、のだが。結局入る勇気が出ず、先に歓談室に来た。カードは手に持ったまま、で。←本人は、待合室に置いてきたつもりで居る(い…痛…っ!やはり…や…やってしまい、ました…っ。どう、致しましょう…っ)みるみるうちに赤く染まる顔と、瞼の内にたまる涙を感じながらも。ショックで、起き上がる事すらできずに突っ伏したままで過ごす事、数分。ふんわりと、抱き上げられる感覚。そして聞き覚えのある声。恐る恐る顔を上げると、自らが傍に駆け寄ろうとした人物、の微笑みがあった。
「ち、ちーちゃんさま…!は、はぃっ。だ、大丈夫、に御座いますっ。…あ、ありがとう、御座います…っ!」絶望的な状況の中、優しく手を差し伸べて下さった事が、あんまりに、嬉しくて。『お姫様だっこをされている』と言う、極めて照れ屋な少女にとっては、大慌てモノな状況にも気がつかず、ごくごく自然に。お恥ずかしい所を見せて、もぅ、もぅ!等々、語りながら、そのまま身を任せ、運ばれていく。その道すがら、すれ違うヒトには、お騒がせ致しました、と逐一お詫びをし。心配気に見遣って下さった、果実を頬張るお針子姿の女性と、ウェイターさまの方を向き、大丈夫です、と感謝の心を込めて、深々と頭を下げた。
ぐりぐりと頭を撫でる呼宵殿。撫でられるウィム殿。じゃれ合う猫の様な二人を微笑ましく眺めつつ、果実を取る手は休めない。「こりゃまた、姐さん、見違えたわ。」姐さん。呼宵殿特有の呼び方に、どうやら物忘れではなかったらしいと気付く。が、物言いの少なさや、曖昧に笑いつつ煙管を弄っている辺り、何か含みを感じずにはいられない。「…いや、分かっておる…何も言うな…」母のドレスよりも、父の燕尾服を選ぶべきだったと少々反省する。「しかし、お主の洋装もまた目新しい。色男に磨きが掛かるではないか?」と、にやりと笑ってみせる。
「蓮さま、こっちも美味しいですよ〜♪」と、嬉しそうな声に振り向けば、祖国では見慣れぬ果実が並んでいる。「おお、世界は広いのぅ。…ウィム殿、こちらは何であろう?」果実を取りつつも、甘味らしき並びへも誘い込まれる。段々とざわめきが大きくなり、こちらへ足を運ぶ参加者が増えてきたようだ。ペアでの来場も多く、己の出番は無さそうか―と、安心半分、残念半分な心持ちになる。入口を見やれば、見知った外套の大男と白い翼の女性が、連れ立って出て行く。…おや、と頬が緩むのを禁じ得ず、戻って来たら邪魔でもしに行くか、と嬉しげに手酌で洋酒を注いだ。
うろうろする私は背後の気配にまったく気づきませんそして、急に後ろから手が伸びてくるとその手の主がいきなり私を呼びます私は、それにちょっと驚いてしまいます「フィーナさんっ」「きゃあっ!」私は、一瞬襲われたと思ってしまってある意味いつもの私らしくない悲鳴を上げてしまいますそして、慌てて振り向いた先にはいつもの格好のライさんがいました・・・
「び・・・びっくりしました〜(^^;ライさんだったんですねもう・・・こんな所で悪戯なんかして」私は、ちょっと怒ったような素振りをしつつも知ってる顔に出逢えて、心がようやく落ち着いてきますそして、彼もまだ着替えていない事に気づきます「とにかく2人とも着替えないとまずいですよね・・・とりあえず誰かスタッフの人に聞きましょうか・・・」私は、彼の手を取るとホールの中に入っていくのでした
扉がそうっと開いた高く、甘い声何が「ありがとう」なのか?理解出来無かったが、…まあ受け取っておくことにする「随分待たせてしまったようで、すまなかった」添えられた手にそっと口付けをする一方の手を重ね、かしづく「今宵は、姫君の望むままに」…気障な事を言ってみても、なあ…わたしは踊り方を知らないのだかなり心配だったこの娘に恥をかかせてしまうことになったら…ええい、考えるなふと見上げると…おや、悪戯の跡が立ち上がり、額から輪切りを取り除く小さな火が上がる虹色の灰がちらちらと舞って、消えていった小さな、魔法だ「行こう」手を取り、歩き出す
「ええと、お酒はどこにありますか?」そう声を掛けられ振り返れば、銀髪の青年が立っていた。場の雰囲気だろうか、普段は気にならないのだが自分と同じ髪色に少々驚きを感じ、ぎこちない表情になってしまったかもしれない。「お飲み物はこちらに、シャンパン・ワイン・甘いリキュールにスピリッツも各種ご用意しております」トレイをお客様の前へと差出し、それぞれグラスに注がれている色鮮やかな酒を勧めて。
「軽食やフルーツも揃っていますので良かったらそちらも・・・曲が始まるまで少々時間がありますから」少し硬かったかと思い「美味しいですよ」と。厨房で味見と称して少し頂いた事をコソリと打ち明けて、和やかに笑ってみせた。
もしゃりつつも…周りには人が増えてきて蓮さまも今宵さんもお友達を見つけた様子ふと思い出し…蓮さまを見上げつつ「エントリーカード…1回出したのに隠しちゃったでしょ?出してくれば良いのに〜きっと蓮さまなら、引く手数多ですよ♪」にこっと笑い、その様子を見ていたことをばらす(ぁ「そですね、ダンスの予備は必要なさそうだし私はお仕事に行こうかな♪」ポケットに果物を詰め込んでいると…お姫様抱っこのルクリアさんと目が合うそしてお辞儀される可愛いなぁと思いつつ、笑って手を振り。目立たないように出口に…
「有難う、アンリエッタ。また後程」忙しいさ中でも丁寧に案内をする様子は馴れたものだ彼女のようなスタッフ達のお陰で安心して参加できる精霊の気持ちの良い飲みっぷりに思わず拍手をしかけそうになりながら引いていた手を逆に引かれ、その常と変わらぬ元気な様子にくっくと笑みが漏れた「ああ。貸衣装が少なくなる前に気に入る物を見つけるといい準備が済んだら入口で落ち合おうか」歩きながら見渡した会場には見知った顔もあったが、普段と印象の違う衣装に身を包んでいた為声をかけそびれてしまう果物や甘味を楽しげに皿に乗せていたことだし、また後で挨拶をしてみるかそう理由をつけて衣裳部屋へ向かった
客人にぶつからないように慎重に足を進めるアンリへとまるで手を取り誘うかのように魔力の道標を送ると彼女が立ち止まった所で正面を向く「…御機嫌よう、アンリ。今日は大忙しだね…ご苦労様です。彼女は蛍。…僕の友人です。彼女と偶然に舞踏会で出逢いましてね声をかけてみたのです」それから傍に佇む蛍にアンリを紹介する。お互いこの場所では知り合いが少ないので少しでも縁を紡げたらよいと考えたようだった。「こんなに人が来るとは思わなかったです。これは…大成功だね?」
巌念さんに手を引かれて再びホールへと向かう。じぃ〜…っと口付けをされた手を見つめる。上品なエスコート、素敵な魔法…。むぅ…、これは困った。私は踊り方を知らないのだ。かなり心配だった。この方にに恥をかかせてしまうことになったら…。いえいえ、考えても仕方が無い。「喉、渇きませんか?踊る前に何か飲みません?」にっこりと微笑むと彼の手を引いてホールへ向かった。そういえば、何でレモンが額に乗っていたのだろう?
ホールに着くとアンリさんとミーティアさんが忙しそうにしているのが眼に入る。どうやら倒れた時にお2人にはお世話になったらしい。「アンリさん〜!ミーティアさん〜!」大声で名前を呼んでぶんぶんと手を振った。遠目にファンデムさんとシファさんも見つける。どうやら衣裳部屋へ向かうみたいだ。お2人にも心配をお掛けしたので挨拶したかったのだが…、あとでお声をかけるとしよう。「巌念さん、私達も衣装を借りにいきますか?」言いながら、そっと手に持っていた2つのワイングラスのうち1つを手渡す。中身は葡萄ジュース…。お酒のほうが良かったかな…と後から不安になりながら、グラスを差し出す。
「気分は悪くなっていないかい?」心配そうな眼差しで幽霊を気遣う少年。ふるふる、と幽霊は顔を横に振ると微笑んだ。「…大丈夫です、お気遣いありがとうございます。…踊りは…少し興味はありましたけども…。でも私は踊れないので…えへへ」ルキア様のお誘いに応えれなく、心なしか残念そうな顔を浮かべたが…すぐに笑顔に戻った。「その代り…皆様の楽しそうな踊る姿を見るの」…幽霊は踊りを見るのが凄く楽しみのようだ。頭に広がる想像はとても美しいものなのか、ほわほわとうっとりしている幽霊1人。
そんな時、ルキア様が友人を紹介しよう、と何処かへ言魂を飛ばした。しばらくすると…ルキア様が放つ魔力に手を取られ、人ごみからゆっくりと姿を現した女性が現れた。(…綺麗な人…)そんな事を思いながらぺこりと礼を。ルキア様がお互いの事を紹介するとなにやら幽霊は意外なのか凄く興味深そうな感じの女性。「え、えと…蛍といいます…貴女は…?」ルキア様のご友人という事で幽霊も凄く興味を示しているようだ。
「うわ、凄ぇ…」華やかな装飾の室内、並ぶテーブル。それだけで場違い感に圧倒される上、入り口から覗き見る限りで知れる人の多さ。「待ち合わせるなら建物の外だったかな…」キラキラとした部屋に眩暈がして額を押さえると、慣れない伊達眼鏡が袖に引っ掛かってズレた。衣装は後々借りるとして、流石にTシャツや甚平姿でこの場所へ来る勇気もなく、タンスから出した一張羅のスーツ。友人から貰い受けたがあまり着る機会もなかったので、良い機会ではあるが…。「…白スーツってなぁ」暗い色ばかり着る自分には少しだけ恥ずかしい。眼鏡を押し上げて呟き、廊下の壁に凭れて袖を弄りながら今宵の相手を待った。
「わぁ、コレが会場デスかー…」口をぽかんとあけた、銀の少女が入り口に一人立っている噂にきいた舞踏会に出てみたいと言い、友人と約束した手前、彼女なりに正装といえそうな服装をして来たのだが、些か圧倒された様だった「はっ、それはいいとして…もう来てるかなぁ」固まった後、漸く目的を思い出したか、いるであろう人物を探す闇色の彼はきっとこのホールとは対照的で、すぐみつかるだろうとそう思っていたから、驚いたのだ、廊下の壁に一人凭れ、白のスーツを身に纏った彼を見て―――「………わーちゃん?」―――思わずおそるおそる、そっと小声で話しかけていた
「あぁ、さっきミーティア殿に飲み物はもらったよ」左手に持ったグラスが掲げられ、ミーティアさんが配っていたのを思い出す。酒は飲んでいないはずだけど、顔が熱い。「馬子にも衣装とはよく言ったモンだね…イメージが随分変わった」拉げそうな思いも、その一言で緩和されて、逆に少し照れ臭い。「ありがとう…ミネアさんもとっても綺麗!」黒のカクテルドレスが紅の髪に良く映えていて凛々しくさえ見える。「ま、仕事頑張ってな」柔らかい笑みに力をもらった気がして、なんだか頑張れそうな気がしてきた。「うん、頑張れそうっ ミネアさんも良い夜をっ!」今度はグラスに気を付けて、軽く礼をしてその場を後に。
意気揚々と歩き出し、スタッフが付いてないお客がいないかと歩き始める。すると、部屋の端に女の子が1人。目は閉じられ、一瞬疲れてしまっているのかと思ったがそうゆうわけでもないようだ。しかし気になり、そちらのほうに向かって歩きながら様子を見ていると、(あ…!危な…く、ない?)目を閉じたまま歩いていて、一瞬びっくりして駆け出しそうになったが少女は当たり前のようで、別に不安なところはない。凄いなぁ、と感心しつつも気配が分かるように横から近づきそっと盆を差し出す。「いらっしゃいませ!飲み物はいかがですかっ?」
やあ、ずいぶんにぎやかなんだな…舞踏会のエントランス前で、入るのを躊躇する。華やかな場は苦手だが、憧れでもあった。こんなとき、知り合いに女の子でも居ればなぁ…エスコートを口実に、こういう場に自然に来れるだろうに。そう思いつつ、一人でのこのこやってきている。ペアではないし、踊るつもりも無く、ただその空気に身を少しだけ漬してみたかった。場に失礼の無い程度に改まった服を着、髪には櫛を入れた。どこをどう歩いてきたか、早くも乱れた髪を手で撫で付けてから、会場に入る。知り合いが、来ている。会えたらよいが。そして、どんな人びとが来ているんだろう。
「お飲み物はこちらに」声を掛けた銀髪のウェイターは少しぎこちない顔でトレイを差し出してきた何か顔に変なものでも付いてたかな?なんて少し思いつつ目の前の酒を眺める「じゃあこれを頂こうかな、ありがとう」微笑みリキュールを手に取るウェイターは続けて話す「軽食やフルーツも揃っていますので良かったらそちらも・・・曲が始まるまで少々時間がありますから」確かにダンスが始まるのにはまだ早いその間に何か食べておこうと目移りしていると「美味しいですよ」とウェイターが笑顔で言ったその笑顔を笑顔で返し、近くの軽食を取りに行った
「いらっしゃいませ!飲み物はいかがですかっ?」元気な声が横合いからかけられる。少女は少し驚いたようにそちらに首を向ける。どうやら声をかけられるとは思っていなかったらしい。「んと…、それじゃあミルクはあるかな?」少し戸惑いながらそう言うと、少女は声の主に微笑みを返す。
物陰からホールを見つめた女は、ほぅ…とうっとりと息を吐く。「素敵…。」待ち望んだ舞踏会。少し覗くつもりが一度ホールを見てしまうと離れられずにいた。見知った顔や、見かけたことのある方々も所々に…。あれは…。そっと近寄り声をかける「リリー、巌念さん。こんばんは。良い夜ですね」可愛い妹は少々緊張気味の様子。2人に微笑みかけ小さく膝を折りお辞儀。
「いらっしゃいませ、ネスカート殿。お久しぶりです。 今宵はまた一段とお美しい… 白いドレス、とてもお似合いですよ」突然掛けられた声。ハッとなり、朔耶さんの後ろに隠れてしまった。…理由はこの「声」。一度聴いた事のある声。朔耶さんの肩越しに声の主を確かめる。「お久しぶりですね、ティエンマさん。その格好は…スタッフなのね」いつもの服装ではない所を見られたのが恥ずかしいのではなく。お互い頬を赤くしていた所を見られた。そこが恥ずかしい。
絢爛豪華なホールをぐるりと眺め、感嘆の溜息を漏らした。飾り気のない淡い色のワンピースに、右肩から背中にかけて大判のショールを掛けてベルトで留めている。踵の高いサンダルは、久しぶりに履いたせいか少々歩きづらかった。他の女性陣に比べると些か地味な格好ではあるけれど、もともと今夜は「壁の花」になりに来たのだから、問題はない。好奇心にかられて、ちょっと覗きに来てみただけだから。ホール全体がよく見渡せそうな壁の近くに移動する。子供の頃に読んだ童話の中で、お姫様と王子様は、舞踏会で仲睦まじくダンスを踊っていた。今夜は此処で、いったいどんな物語が繰りひろげられるんだろう?
ホールへ戻るなり娘が叫んだので驚いた係の者に大きく振る手をそっと取り、さくらんぼのような艶やかな唇に、人差し指を置いた内心、大変恐縮していただが、場の雰囲気が己に与える影響は、なかなか大きいものだ首を、ゆっくりと横に振りながら「彼らは今、とても忙しいようだから… 後で挨拶に行こう」グラスを受け取り、飲み物を口に含ませると心地よい冷たさと甘い香りが、口の中に広がった緊張して酷く喉が渇いていたことに今更気付きほう、と一つ息をつく「ああ、衣装…そうだね…」…そこへ、ふんわりとした、柔らかな女性の声が聞こえた「やあ、今晩は」姫君の姉君に、軽く会釈をする
煌びやかな装飾と、其処かしこで談笑する人々の姿賑わう場内を見回して(凄いものね…)内心、感嘆の溜息を漏らすと同時に、自分の交友関係の狭さにも、違う意味で溜息が出た此れだけの人が集まっていると言うのに、見知った顔が一人もいないと言うのは、何とも居心地の悪さにUターンして帰りたくなるが、そうも行かない此処に来た目的を思い出し、もう一度だけ息を吐いて近くの給仕からグラスを一つ受け取ると、ゆっくりと歩き出した先ずは、パートナーの姿を探して
レンヴァルド殿と笑顔で別れて、今度は声を掛けてくれた紅髪のエルフの青年と話しながらワインを飲む。「俺は普段は傭兵やっててね…上得意の客に夜会に招待されたりするから、こういうのは慣れてるっちゃ慣れてるんだ」黙っていれば血生臭い傭兵には見えない着こなしである女は、自分の仕事と慣れてる訳を初対面の彼に簡単な説明をする。「ま、ワルツは苦手なのだがね…」
ペアの決定した待合室からホールへと戻り、軽く周囲を見渡すさて、ホールの人手は足りているか…ん…ん?ふと目に映る女性の姿そういえば暫く時間を確認してなかった自分で予定していた時間は当に過ぎている瞬間浮かぶ焦りが、すぐに気を取り直すと待合室のミーティアに声をかけた「すまない。一足先にお客になるよ」頭を下げると急いで扉の前に別れを告げ、視線を動かしながら歩いている女性へと真直ぐに進んでいく驚かせないようにゆっくりと傍に寄って声をかけた「ようこそ夜会へ。愛しい人まずは貴女のその空いている手をエスコートさせて頂いても宜しいかな?」笑みと共に差し出したのは自分の手
煌びやか。舞踏会はそう評せられるべきと、我は思っている。紳士は格調高き余裕を。淑女は優雅たる美しさを。そう在ればこそ、夜会の雰囲気は最上に彩られるから、と。二年前の冬。同じ場所に我は居た。夜会の経験は少なからず在ったとは言え、世界を跨ぐあの規模に圧倒されたものだ。戦火冷め遣らぬ中、今と違う者達が織り成した一夜。また違った煌景を、今宵は拝見出来るのだろう。そう思うと、此の歳ながら昂揚を誘われる。以前も着用した紺のイブニングドレスを今宵の礼装に。胴回りが少々不安ではあったけれど、恐らく大丈夫。しつらえて下さった方の腕に感謝しつつ、会場へと入った。
一通り全種類の果物を口に運び、満足する。そういえばまだ着替えていなかったことを思い出しふらりと部屋を出て、正装へと。時空転移で移動すればそれほど時間が掛かることはない。着替え終えると何事もなかったかのように、再び元の位置へ位置に戻る途中、見知った友人たちに声を掛けて挨拶をするのは忘れない言葉の終わりに果物が待ってるから行くね、と告げてそして定位置で今度はひたすらパイナップルを皿へと移していく一番最初に目に入ったものを今度は食べようと思っていたらしい。「…そういえば、伯爵はどうしたんだっけ?」切れ端を一つフォークへと突き刺し、辺りを見回す。
すると視界に全力でスライディングをする知り合いを見つけた。折角の白いドレスが台無しだ。考えてる間に、うずくまってる彼女を助けてやればいいものをけれど、思考はそういえばオレンジの皮で橙色に染めようかなんて話しをしてたようなー…などと助けるという選択肢は全く浮かんでいない模様。じっとそちら側を見つめたままぼんやり考えていると探していた黒の男が、その知り合いを抱き上げた。数度言葉を交わして、そのまま此方に向かってくる姿に向けて考えていたことを頭の中から消して挨拶を兼ねて笑顔でパイナップル付きフォークを振った。
「じゃあこれを頂こうかな、ありがとう」一つグラスを取って、勧めた軽食を取りに行く姿に自然と視線が行く。(やはり見知った人でないと緊張するな・・・)そう思いながらも返ってきた笑顔が嬉しく、スタッフとして名乗り出た事をよかったと思う、舞踏会という華々しい場でウェイターなんて経験もなかなかできないし、と。パートナーの方が来たら邪魔になると思い、控えめに声を掛けて。「良い、夜になるといいですね・・・では、失礼致します。」そう告げ、一礼しその場から離れた。
会場に視線を巡らせば何方も歓談を楽しんでいる様子。トレイのグラスも一つまた一つと数を減らし、一度戻った方がいいかと思案し。そう言えば友人と話した事思いだした。確か入り口付近に・・・と。(入りにくそうな感じを受けたが、大丈夫だろうか)一度入り口付近に足を運んでから、飲み物などを取りにこうか。
「そうなのか、道理で慣れてるんだね…」彼女の説明に納得するちびっ子エルフ。しかし。今の出で立ちでは、彼女から聞かされても傭兵だとは半ば信じ難いのも確かだった。ワルツが苦手だと語る姿も優雅だし、ワインを飲む姿も……というか。ワルツ以前に、ダンス経験が全くない俺はどうすれば。「あんなに練習したし、大丈夫…だよね?」ただし練習相手は動物とか(待先行きが不安になるエルフなのでした。
遠慮がちな女性の様子に、遅まきながら好奇心を幾分ひっこめようと考える。しかし今更と歓談に華を咲かせることに。少年に頷き、女性には握手はできぬのを承知で手を差し出す。そう、言わば場の雰囲気と気分の問題。「人数に圧倒されまして? ええ、盛況で喜ばしい限りですわ。 蛍さんには失礼致しました。明確な思念をもつ方に会うのは初めてでしたので、つい惹かれてしまいましたの。 私はアンリエッタと申します。どうぞ御見知り置き下さいましね」そのとき余所からの呼び声に、小首を傾げた。あぁ眠り姫の御目覚めね。手が塞がっている為、会釈にて応える。おそらく舞踏会が終わるまでに、また機会は作れるだろう。
少女が少し驚いたような表情でこちらを向いた。しまった…少し声が大きかった、かな?「んと…、それじゃあミルクはあるかな?」戸惑いながらもそう返事が帰ってきた。一瞬驚いて引かれたかと思ったが大丈夫だったようだ。しかし。盆を見ると残念ながらリキュールしか乗っていない…ミルクは確か…少々お待ちをっ、と少女に告げて端のテーブルに向かい目的のものを探す。集められたグラスの中に…あった!ミルクが注がれたグラスをそっと取り、戻ってくるとそれを笑顔で差し出した。
「お待たせしましたっ」渡しながら今回は零してないこともあって及第点だ、と自分で勝手に点数をつけておく。ふと、時計が気になって見てみると随分時間が経ったようだ。先程よりもお客の数も増えている。そういえばもうそろそろ待合室でペアが決まる時間だったような…相手が来て邪魔をしてしまうと悪いし、この辺で下がろう。最後に控えめにスタッフらしく声をかける。「何かありましたらお呼びくださいな。今夜があなたにとって良い夜でありますようにっ」やっと緊張が抜けてきた自分らしい笑顔と共に、礼をしてその場を後にした。
入り口からもはっきりと花の香の少女が深々と頭を下げたことが見て取れた。出来る限り最高の笑顔を浮かべて礼を返す。では、失礼しますと白いスーツの青年に恭しく告げてまた会場内に戻る。またスタッフを必要としている人が居ないか会場内をくまなく見回す。(おや、あれは…)先ほど休憩室へと案内したペアの両名の姿がある。回復したということだろう。安堵するがまさか大声で名前を呼ばれるとは思わなかった。堪えきれずに軽く吹き出してしまった口元を慌てて手の甲で押さえる。そのまま小さく頷き返したがどうしよう、暫く笑みが止まりそうにない。もっとしとやかな女性だと思っていたが案外活発な面もあるものだ。
「お一人かな?」一人でいる青年を見つけ、トレイに各種飲み物を乗せて近寄る。「少し緊張しているように見受けられるが、アルコールでも入れてしまえばほぐれるものだ」トレイのグラス群を示し口角を上げる。「こうして見ず知らずの人と知り合えるのがこういう場の良いところだよな」言いながら会場内を見回す。「ふふ、何かあればスタッフを呼び止めてくれたらいい」何かなくても構わないが、そう嘯く。そういえば、幻灯屋のお相手がいつの間にか到着していたようだ。わざわざ抜ける旨を告げられ快諾する。「楽しむのがこの場の目的だ、存分に堪能してくるといい」ああして誘える相手が居るというのは羨ましい限りだ。
「其れなら私も安心だよ折角の夜会だ、存分に愉しもうじゃないか」腕の中から捲くし立てる様に語り掛けてくる様子に安堵して、誰かと擦れ違う度律儀に詫びる少女に釣られるよう相手へと目礼し乍ら会場内を移動して行けば、此方を見守る友人の姿が目に入る声こそ聞こえないものの、言いたいだろう事は表情から察して、今は取り敢えず、と悪戯げに目配せをひとつ擦れ違う人の波に見付けたのは最近知り合ったお嬢さん少女へ手を振る彼女はスタッフだと言っていたが、歓談も愉しめているだろう様子が何故か嬉しいもう時間なのか、会場を後にしようとしている背を残念に思い乍らも見送って、更に歩を進めた
其処には笑顔で果物付きフォークを振り回す友人の姿「はい、お姫様到着しかし何時の間に着替えていたんだい、早業だね」腕の中の少女をそっと下ろすと友人へと向き直り、何時の間にか正装に着替えて居つつも変わらず果物を愉しむ彼に必死で笑いを堪えそう告げる「さて、リズ君、もう一人のお姫様は何時到着するだろうねぇ…」愉しげに出入り口を見遣ってから思い出したように近くのスタッフの方へと声を掛ける「すまないのだけれど、シャンパンを…2つと、ノンアルコールドリンクが在れば其れを1つ頂けるかな?」シャンパンを3つと告げようとして一瞬迷うように少女へと視線を送り、思い直して其の注文を
じー。(入り口の側でしゃがんで覗いている。)待合室からここに来たけど、たくさんいるなぁ・・・。じー。(入ろうか迷っている。)あっ、久しぶりの顔ぶれが!こういうところ、慣れてないんだもの。あぁーーー。どきどきする。じー。(まだ迷っている。)
入り口で落ち合おう、と言われ、精霊は頷いた。「了解。あ、でも」女性と男性の身支度は、手間の度合いが違う。あまり待たせて退屈させるのも気が引けた。「あんまり遅いようなら、先に行っちゃってて良いよ。 俺…その。待たせる自信あるし」翼人用の服の合わせとか、柔らかな翼を整える手間とか、ただでさえ慣れていない化粧とか。不安材料は、星の数だ。「でも、見つけてもらう自信もあるし。 だから、先行って美味いもんでも食べててくれ」彼を見上げてにっと笑うと、手を振って衣裳部屋へと向かう。
「…そう?貴女は幽体なのだからくれぐれも無理をしないようにね」穏やかに微笑み少年は蛍が幾分残念そうな表情をしている事に気が付いた。来年は彼女を誘おう。それまでにはきちんと僕がレッスンをしてあげなくてはね…。「そうですね…舞踏会の楽しみは人々の踊りを見る事にもある」幽霊の少女は先程紹介したアンリと談笑しているようだ…良き縁が築ければ良いのだが…。それからふと視線を彷徨わせる。もう少しすればワルツの時間だろうかそろそろ衣装を整えばなるまい。「蛍、アンリ…僕はそろそろ準備をしてくるよ」少年は穏やかに微笑んだ。
「――ん?」声に、視線を上げる。犬の姿を取る事も多い友人。人型の時は和装を好むその子の、普段とは雰囲気の異なる姿に目を細めた。今も似合うが、多分ダンスのドレス姿も似合うのだろう。「こんばんは、桜。人混みで迷子になりそうだったから廊下で待ってた」壁から離れて近付くも、その視線が自分の白いスーツに向けられている事に苦笑する。確かに、この姿は見慣れないだろうが…「…そんなに見ないの。あぁ喉が渇いたな、何か飲もうか。それとも何か食べる?」向けられた視線を下げるように少しだけ力を込め、ぽふぽふと銀の頭を撫でる照れ隠し。口早に言葉を並べ、片手で小さな背を押しながら会場へ入った。
人の多い所は苦手なのに、家にいるのもなにとなく落ち着かなくて、気紛れに足を運んだ舞踏会場。黒いマントに暗藍のレースとフリルの揺れるワンピースは、およそ舞踏用とは思われないが、それほどの違和感もある訳でもなく会場の中にまぎれていく。華やかに煌びやかな夜。これから始まる夜会のため美しく着飾った客。見知った人たちも、それぞれにパートナーや友人らしき人々と楽しげに話している。微笑んでそれを見渡すと満足して、邪魔をしないように会場の端に設けられた椅子へ向かい、腰掛ける。踊るまではできないし、水精霊はただこの雰囲気と光景を眺めて楽しむために来たのだった。
目の前の女性は握手のために手を差し出した。手を差し出されたらそれに応えないと…、幽霊は手を実体化させ握手をした。実体化しても温もりはないけども…。形はしっかりしておきたい、そう思ったようだ。「アンリエッタ様…ですねっ。…こちらこそ、よろしくお願いしますねっ。」この出会いを大切にしなきゃ。そう思いルキア様には心で感謝をした。そのルキア様はそろそろ衣装の支度のようだ。準備をしてくる、と微笑んでいる。「…はい、衣装に着替えたルキア様の踊る姿楽しみにしてます」幽霊も少年に微笑んだ。
雲の上に世界があるなら、きっとこんな感じ。「ふわ」ホールに足を踏み入れて、最初、高い天井、煌めく照明を見上げて感嘆の吐息が零れた。まだ着替える前なので、なんだか場違いなような気がして少し気恥ずかしかったけれど、ここで怖じ気づいたら格好悪い。ヒカも居るもんね、胸張って入るのです。それにしても、人がたくさん。木霊のよな明るい笑い声、グラスに踊る光、…眩しいね。「ヒカ、こっち。」繋いだ手、離せないね。はぐれそう。スタッフさんは、とても忙しそう…。人垣をするすると避けながら、軽食が並んでいる元卓に向かう。先刻シャンパンを頂いたけれど、緊張してるからかな、喉がまた渇いてきた。
「少々お待ちをっ」そう言うと彼はその場を一時的に離れる。が、すぐにミルクの注がれたグラスを持って現れた。「お待たせしましたっ」そう言って笑顔でグラスを差し出した彼の顔は嬉しそうで、得意満面だった。「どうもありがとう」思わずシェラザードも笑顔でグラスを受け取る。「何かありましたらお呼びくださいな。今夜があなたにとって良い夜でありますようにっ」時計を気にしながらそう言うと彼は踵を返して人ごみに消えた。「ああいう殿方って可愛い…」ぽつりと呟いてグラスに注がれたミルクに口をつけた。
待合室を出てから、2人でお仕立て屋さんに衣装をお願いして、るんるん気分で歓談室へと入ると、そこは華やかな色や音や光で溢れていたよ「わぁ・・・」こんな華やかな所で、初めてのダンスなんて出来るのかな?高揚した気分の中に少し芽生えた不安感その時ふと横から零れた吐息ジェイも、同じ気持ちかな?・・・うん、ジェイと一緒なら大丈夫!「ヒカ、こっち。」しっかり握られた手を強く握り返し、人垣を抜けて行く辿りついた元卓の前もう喉がからからだったお酒のんだら、大変な事になるのはわかってるwノンアルコールで、さっぱりしそうなもの・・・
「うん、いい夜になるといいね…お互いに」ウェイターに言うのも変だと思ったがウェイターも立派な夜会の参加者だ楽しんで仕事ができれば一番良いそう思ってこの言葉を投げかけた(さて、少し夜風にあたろうかな)折角の夜会だがやはり少しなれないのか気分が少し悪くなったみたいだテラスなら少し気分が落ち着くだろうグラスと小皿をテーブルに置きテラスへと移動した
盆の上が寂しくなってきたので一旦厨房へ戻って補充を。先程のミルクの事もあるし、今度は種類を充分そろえて不備がないようにする。「すまないのだけれど、シャンパンを…2つと、ノンアルコールドリンクが在れば其れを1つ頂けるかな?」外に出て歩いていると声が早速かかる。なんだか聞き覚えのある声のような…「…あれ、千さん…?」振り返ればこの煌びやかな雰囲気にも馴染んでいる友人の姿。思わず間抜けな声を出してしまって慌てて笑顔でごまかしてみる。「い、いらっしゃいっ 今日は楽しんでいってね!ええと…」
注文されたシャンパンは多分…周りを見て、千さんと果物をおいしそうに食べている人だろうと推測。彼の周りは果物が大分減っているから後で補充をしておこう。それからノンアルコールを飲むであろう少女を見やり、そのイメージから白桃のスパークリングジュースを手に取った。「…炭酸は大丈夫かな?白桃のなんだけれど…」視線は花の少女に。後ろに一言お勧めだよ、という言葉を添えて。
唇を人差し指で塞がれて少し反省する。少し気遣いが足りなかったかもしれない。「はい…、ごめんなさい♪」グラスの飲み物を受け取ってくれた彼に言葉では謝りながら笑顔を見せた。そこへ馴染みのある声が聞こえてきた。「お姉ちゃん!お会いできて嬉しいです♪」巌念さんが会釈をする隣で、真似をするように姉へ会釈を贈る。このような場で、身内に逢えるとやはり安心してしまう。もしかして、私だけでなく巌念さんもお姉ちゃんも緊張していたりするのだろうか?なんとなくじ…っと眺めてしまう。
(うわぁ〜!)会場全体の煌びやかさに圧倒される。装飾品の数々、そして既に入場しているる方々の眩しさ。みなぎる精気♪(ま、ま、眩しい。。。…人が。。。)自分の興奮が落ち着くまで入口近くの壁際で待機。その間に知り合いがいないかキョロキョロ。…それとまだ引きつっているかも知れない笑顔の練習でも^^;
「おやおや…信じられないって顔だねぇ…長いこと色々やってりゃそれなりに人付き合いもあるんでね…」飲んでいたワイングラスを空にすると、「トウマ殿もついでに、何か頼むかい?」スタッフを呼んで、「赤ワインをもう1杯もらえるかな…と、トウマ殿はー…」
・・・これは・・・。入口でウロウロしてる白猫一匹ライに誘われて来てみたけど、人が多すぎ・・・(ブルブルん、良く見たら知ってる顔もチラホラ・・・とっとりあえずコッソリと会場入口から入って自然に周りにとけこんでおこうか(笑い
【スタッフ】入り口付近から移動>ミネア氏・トウマ氏へ:ライ入り口付近を歩いているとスタッフを呼んでいる女性を見つけ急いで傍へ。「赤ワインをもう1杯もらえるかな…と、トウマ殿はー…」少なくなったトレイの上には赤ワインの入ったグラスが乗っていた。なんとか待たせるような事にならずホッと胸を撫で下ろす。「パートナーの方はよろしいですか?」隣に立つ男性に声を掛けて、トレイを差し出す。トレイの上にはグラスの数は少なく、あのまま戻っていればと内心苦笑してしまう。「ご希望のお飲み物がありましたら、遠慮なさらずに言いつけて下さい。」
声を掛けた友人が気になり、入り口の方へ視線を向ければよく知った顔の友人がウロウロしていた。人の多さに緊張しているんだろうかと気に掛けながら、少々待ってもらう事にしよう。
声をかけられ、優しく頭を撫でられて、きょとんとする少女背を押され漸く我に返り、慌てて彼に返事を返した「今晩和っ、て、お待たせしちゃってゴメンなさい! 何処かで果水とか、わーちゃんのお酒、もらってこなきゃネっ」思いもがけない彼の衣装、それから伊達であろう細眼鏡はおバカな少女でも、普段の彼との雰囲気の違いがありありとわかる夜の闇を思わせる様な、包み込む穏やかないつもの雰囲気にスーツの色か社交的な明るさを感じるのは、気のせいではないのだろう「わーちゃん…実はオトナできらきら紳士、だったのネ…!!」共に会場へ向かいながら、思わずそう失礼な一言を呟いた(何
お針子姿の女性は、笑顔で手を振って出口の方へ去っていった。(お仕事のお時間、でしょうか…っ。また、後で…戻られたら、是非にお話をしたいです…っ)ついでに、果物、食べながらお仕事するのかしら、とふと思ってしまって。微笑ましく手を振り返し見送った。大きなウェイターさま、は。最高の笑顔で、一礼を返して下さり、再びお仕事に勤しんでいるご様子。良く気の付くお方だなぁ、と関心しながら仕事ぶりを拝見していると。目に付いたのは、鮮やかな橙色の髪の男性。(お花のような綺麗な髪色の方です…っ!…あ、後で勇気を出して話しかけてみましょ…っ)花の様、と一方的に親近感を感じた、らしい。
向かう先に、視線を戻すと。何時の間にやら正装に着替え、果実付きのふぉーくを良い笑顔で振って居る知り合いの姿が。「ぁ…アッシュさま…v」やっぱり白がお似合いになる、と思いながら。ふんわりと微笑んで、手を振り返す。この鳥頭(しかも、その上花が咲いている)な花香の少女は。彼が、何時の間に着替えたのか、などという疑問など抱きもせず。彼が、白いどれすを、おれんぢ色に染め上げる、などと言う恐ろしい事を言っていた事など。すっかり、忘れている。紳士な伯爵さまに、運ばれて。果物三昧の白い男性の元へと近付いていく。近付く程に少女の視線は、彼からふぉーくの先のぱいなっぷるの方へ。
(お…おいし、そう…。で、でも…こういった場所、で…た、食べることは、がまん、がまん…っ)頭をぶんぶんとふり、ぱいなっぷるから目を逸らす。「はい、お姫様到着」そっと、その腕から地へと下ろされる感覚で我にかえり。深々と礼をし、謝辞を告げて…ふと、思う。…おひめさま、到着。わたし、此処に来ようとして、走ってしまって転んだ。どうやって、到着した、のでした…っけ…?ちーちゃんさま、が助けて下さって…「…お…おひめさま…だっこっ!!!」今更、お姫だっこ、で運んでもらった、と言う状況を理解した。その途端、みるみるうちに頭頂部から足先まで、見事に真っ赤に染まる。
おろおろ、と内心大ぱにっく状態。スタッフさまに声をかけ、此方に視線を送る彼に気が付き、我に返る。(のんあるこーる…はきっとわたし、の為。な、何とお優しい…っ!)その、優しい視線と気遣いに、落ち着きを取り戻す。「…炭酸は大丈夫かな?白桃のなんだけれど…」と、此方へと視線を送って来たのは、笑顔の眩しいスタッフさま。「白桃は…とても、とてもすきです…vたんさん、は…」飲んだ事が無い、けれど。自らの為に選んでくださった事が嬉しくて。お勧め、と添えられた言葉に安心して。「だいじょうぶ、です…v」頬を染めたまま、ありがとう、と。二人に向けてふんわり微笑んだ。
精霊と分かれた後、思ったよりも早く正装の支度も済み、ホールの入口へと戻る。今度はフード付きの外套ではなく、タキシードをきちんと着込んでだ。はじめて袖を通した衣装に慣れず、おかしな部分は無いか気になってしかたがなかったが、沢山の鏡に囲まれていると気恥ずかしくなってきてしまったため早々と衣裳部屋を出てきたのだった。逆にシフを待たせる事にはならなかったかなと、少し辺りを見回す。会場内は多くの紳士淑女で賑わっていて、煌びやかな熱気に中てられてしまいそうなくらいだ。少々休憩、とばかりに壁際でぼんやりとホールを眺めていた。ふと、入口近くに見覚えのある人物を見つけた。
「やあ、蒼井。今晩は」声をかけて、すぐ隣に来ていたミーティアに気付いて自分も再び飲み物を貰った。己の纏う衣装を示して、ミーティアへと礼を告げる。蒼井へと向き直り「久しぶりだな、…覚えているか?先程巌念も見かけた。空色の髪のおん…姫君と一緒だった。探してみるといい」言って、グラスに口をつける。おっと、アルコールだったか…踊りながら寝てしまわないよう気をつけなければ
歩き始めて程なく。真っ直ぐに此方に向かってくる足音を、先ず捉えた次いで、目でもその姿を確認し「ごきげんよう、幻灯屋さん…素敵な夜ね…」心なしか焦った様子のその訳が、早々に家を出て来た自分のせいなどとは露程も思わず、呼びかけにグラスを小さく掲げて答える続く申し出にお願いするわ、と頷いて、差し出された白手袋の手を取り腕を組む「取り敢えず、何か飲み物を頂きましょうか…」お疲れでしょう? と微笑む顔に、ほんの少し夜の熱を纏わせて
「うぅむ…」ずらりと並ぶ衣装の前で、精霊は唸る。相方である悪魔の男性は、きっと渋めのデザインで来るだろう。自分も、おとなしめのデザインにしようと思ったのだが…「流石に背中が開いている衣装となると、なぁ」背中の翼がある以上、露出度が高いものしかないのだ。『お似合いですよー?』衣裳部屋のスタッフの言葉に後押しされるように、精霊の手は、少し暗めの赤い色のドレスに向かっていた。そこで、ペアの相手の名前を聞かれる。どうやら、揃えられる部分は揃えるらしい。…なかなか心憎い演出だ。
身支度をして貰いながら周りを見渡すが、自分が一番乗りだったのか、それとも皆自前なのか。客の姿は無かった。(まー、その内誰か来るだろ)ふさふさ、と翼を整えられる感触を心地よく思いつつ、周囲に目を配る。
上背のあるウエイターが近づいてきた。自分も低いほうではないが、やや目線を上にあげる。優雅なしぐさでトレイを差し出され、それはきらめくような軌跡を描く。「やあ、どうも。いただくよ」冷えたシャンパンのグラスを取り、口を付ける。「…ああ、こういう場は…。慣れないもので。ふふ、ありがとう」おや、何か視線を感じた。柔らかな桃色の髪の女の子が、紳士にお姫様抱っこをされてこちらを見ていた。グラスを少し掲げて、目で微笑み返す。
声をかけられた。誰だ、華やかな男だ。「…、ファンデム殿」驚いた、こうして顔を見るのは、初めてかもしれない。「もちろん覚えている。ずいぶんご無沙汰してしまった。お元気そうで何よりだ」たまに戦での様子を見聞していたからなぁ…「貴方も踊られるのか?是非拝見したいな」彼の口から出た名の主を目で探した。彼も踊るのかな。ダンスの時間になるまでは、居てみよう。
「ほう、ここが噂の舞踏会場か。」扉を開けて入場してきたのは黒瞳黒髪のヘイアン人の少女。真夏でありながらコートを着込んだ姿が若干浮いている。「おうおう、やはり大勢集まっておる。妾の狙い通りじゃ。」外見に似つかわしくない口調で呟く少女は、会場内をゆっくりと歩く。まるで何かを見定めるように。まるで何かのタイミングを見計らっているように。「それにしてもアレじゃの、よくもまぁこれだけの人間が集まったものよの。戦ばかりがこの世の得意ではないようじゃ。」少女はクスリと小さく笑うとウェイターからグラスを受け取る。中身をぐびりと一気に飲むと、再び足を進めだした。
差し出したグラスはそのまま青年の手へと受け止められた。華やかな舞踏会、これが楽しい歓談のきっかけになってくれればいい。「…ああ、こういう場は…。慣れないもので。ふふ、ありがとう」素直にそう述べる青年に軽く笑みを浮かべる。先ほど話した騎士殿もそうだが、あまり周りにこういったタイプの知り合いが居ないので何というか新鮮である。「友達100人作るくらいの気持ちでいれば素直に楽しめるさ、きっと」スタッフとしてあちらこちらへと移動している自分は実に気楽な物だ。アドバイスにしても酷すぎる、我ながらそう思わないでもないがどうせここにはツッコミが居ないのだから気にしない。
着替え終わったらしい竜骨の青年の姿が見えた。…今は竜骨を外しているけれど。新しく着替えた衣装を示し礼を言われたので軽く会釈する。「お似合いですよ、ミスター。ペアで揃った姿が楽しみだ」見立てに満足したように頷き、飲み物を所望されたので白ワインを渡す。個人的に赤よりも白の方が似合う、そう思っただけだ。だが、「おや、酒、弱いのか?」ふとした仕草に違和感を覚え尋ねてみる。チョイスがまずかっただろうか。「ノンアルコールも揃えてるぜ。今ならグレープフルーツジュースがお勧めかな」グラスを示して、首を傾げてみた。ダンスを踊る姿、実は隣の青年と同じく楽しみにしているのだ。
差し出した握手に、意外にも確かな質感のある手が握り返してくれた。ひんやりした熱は死者のそれだが華奢な手をしていて、可愛らしい印象を強める。親愛を込めて一度だけ力を少し加えると、ゆっくりと手を離す。「あの…蛍さんさえ宜しければ、後日また御話し致しましょう? たぶん私の記憶に間違いがなければ…貴女の住まいの場所は、とある縁があって存じあげているのですわ」脳裏にひらめく品の良い声音。此処では、まだ話すべきことでは無い。それはさておき、彼女と少年が親しげに交わす会話から、どうやら実体化して動き回るのは消耗してしまうらしいと分かって少々残念な気がした。
少年が準備を始めるとの旨を受け、腕を伸ばした。さきほどの客人にしたように全身を使って道案内をする。彼は普段通り、優雅な振舞いが良く似合っていた。舞踏会の衣装とて、なんなく着こなしてしまうだろう。「ルキアさんはそうね…まだ時間はありますけれど、余裕をもって準備されていた方が良いやもですわ。 踊り、期待しておりましてよ。 行ってらっしゃいませ…」一歩引いて、歓談に興じるゴーストの彼女にも礼をとる。楽しい時間は瞬く間に経過していきがちだ、そろそろ給仕の仕事に戻らないと。「私、そろそろ仕事に戻りますわね。 御用命がありましたら何なりとどうぞですわ…蛍さんも、どうぞごゆっくり」
ふたりと別れるとテーブルの間をそろりと縫って壁際へと向かった。移動の際は邪魔になるのを避けて壁伝いに進むと決めている。あら、誰かが溜息をついておいでだ。どこか憂いを秘めた感嘆の色が滲んでいる。近場からトレーにグラスを複数を取り上げ、それに白ワインを注ぐと穏やかに声をかける。グラス同士が微かに触れ合い、リンと小さく鳴った。「失礼、そこにいらっしゃる壁の花はどなたでしょう…ミス? ミスター? 花が咲くには水が必要不可欠ですわ。御飲物は如何ですか?」もっともこれは白ワインですけれど、と一応付け加えるのを忘れずに。明かりに濡れて輝くグラスを差し出した。
安堵したような妹の表情に微笑んで、いつもの癖で頭を撫でる。「私も会えて嬉しいわ。これから着替えに行くところ?ふふ、あまり緊張しないでリリーらしくね。空気に呑まれて貴女の魅力が薄れては勿体無いからね?」ポンと一撫でしてゆっくりと妹の隣の紳士に向き直りにこやかに会釈をして「その節はリリーがお世話に…。素敵な殿方にエスコートされて妹は幸せですわ。」ふと、もう一人挨拶をしようとしていた女性が手が少々空いたのを目にして、一歩引いて再び礼をし「ごめんなさい、少し挨拶に行って参ります。また後ほどお話致しましょう。」「リリーのドレス姿、楽しみにしてるわね」
煌びやかな会場に足を踏み入れて抱く感想は、ひとつ。落ち着かない。自身が纏うふわりと揺れる衣装も耳慣れぬ音の数々も。場のすべてが照れを煽るばかり。自然と口はへの字に。耳も、自慢の尾も、力なく下へ垂れてしまう。やっぱり、落ち着かない。(伯爵たちは…、)ちらりと視線を走らせれば、お目当ての姿は探すまでもなく見付かった。見慣れた白と黒、それと、淡い花の色の。すぐに合流しようかと考えるも、やはり、いつもと違う場所、そしていつもと違う自分自身が、妙に気恥ずかしくて堪らなくて。もうすこし気分が落ち着いたら。きっとそれでも遅くない。そう思い、するりと人の間を抜けて隠れるように壁際へ。
甘味を口に運んでいると、隣のウィム殿が愛らしく笑って言った。『エントリーカード…1回出したのに隠しちゃったでしょ?』…はて、エントリーカ−ド…?ペアを申し込むためのカード、作る手伝いはしたが、自分で書いた覚えは無かった。「む? 私はカードは…出しておらぬぞ?」何の事だろう、と頭に血を廻らせてみるが…やはり記憶にない。係員として、踊り手の補欠の用意はして来たが…。「ふふ、ウィム殿、誰ぞと見違えたか?舞踏会に差し障りが出ては、と補欠にはなったが…私が進んで誰かと踊るなど恐れ多い。」と言って笑い掛け、耳打ちを加える。(…私が盆踊りくらいしか踊れぬ事は知って居ろう?)
踊り手も必要無いようだと判断し、ウィム殿が仕立てに行くのを見送る。頭をぽんぽん、と撫で、「頑張れ」と、その手に赤い果物を載せた。「…ふう。」ひと通り腹の膨れた所で手を止め、さて、自分は何をしようか…と辺りを見回してみる。会場係のミーティア殿やアンリエッタ殿…他の皆も、忙しく立ち回っていた。自分も手伝おうか…と思ってはみたが…小さな盆に繊細そうなグラスを載せて歩き回るなど、がさつな自分には明らかに無理だ。かと言って衣装係は専門職、料理人も演奏係も専門の者がいる。さて、困った。出来る事は何か無いか…そう思案しながら、取り敢えず腹を休める為に壁際の椅子へ座った。
興奮が治まると、思ったより回りが見えるようにまってきた。その中に見知った顔もチラホラ。(あっ、あちらに居るのは…)挨拶せねばとまっすぐ二人の元へ向かう。「ひさしぶりです!トウマさん、ミネアさん♪お二人ともご健勝のようでなによりです♪」
二人が黒の衣装と真赤な髪で見事お揃いなのが、あまりに似合いすぎているので、ジロジロニタニタ舐めるような視線だったかもしれない。燕尾服の彼は昔のハルで同志だった事もあり、黒ドレスの彼女は兄と同じメンバーでつい最近に偉業を達成したところだった。「トウマさん、あちらでも頑張ってるようですね!?ミネアさん、この度はおめでとうございます♪相変わらずうちの兄がお世話になってます(礼」今会っている格好や目が普段戦っている時とあまりに違い、こんなのもいいなぁ〜、って思い一層笑顔が崩れてしまう。
いやァ、良かった、まだ間に合って。こういう場所に顔を出すのも久しぶりだから緊張するなァ…こういう、タキシードも、最近は滅多に着ないし…首のところが、ん、少しきつい…かな。…ふぅ、まぁ、このくらいなら緩めておいても問題はないだろうか。せっかくダンスを見るのと、食事をするのを楽しみに来たのだし、喉を締め付けていたら食べるものも食べられないからな。では、まずは飲み物から…うーん、職業がら、誰かに取ってもらうのは悪い気もするけれど、こういう場所で、自分から取りに行くのも逆に失礼か。よし、近くにいる給仕さんにワインをもらって、と。後はのんびり食事をしながら、待つとしようか。
友人が見えたが、なんだか忙しくしてるので暫し場の雰囲気を楽しもうと思い…『飲み物…何か飲み物もらうか…』キョロキョロとあたりを見回し、スタッフを探す『すみません、何か飲み物いただけますか?』慣れない敬語にアタフタしながら声をかけてみる。
人混みの中を移動していると色んな声が聞こえてくる。楽しそうな声、知った声。そんな中、ペアのお相手の声を見つけた。誰かと話しているようだ。「と、すまない。はぐれてしまって・・・おや、これはこれは」Ray殿が話している相手は私も知っている人だった。Ray殿の隣に並び会話に加わった。そんな中、先ほど自分が言った言葉を思い出す。たしかに美しい華だが、、触って散りそうもないな。というか、棘が刺さりそうだ。と、目の前の二輪の華の前で、ばれないように苦笑した。
「ああ、もう、こんな時に・・・寝過ごすなんて・・・」背中に骨の翼を生やした少女が急ぎ足で会場へ入ってくる見渡すと、ホールは煌びやかな衣装を身に付けた人でいっぱいになっている「ん・・何?」傍らには何か青白いふわふわしているものが浮かんでいるどうやら、過去に此処へ訪れたことの或る少女の魂のようだ「遊んできて、いいよ。ベルも、色々、見てくるから」其れと別れた悪魔の少女は、見知った顔を捜しに会場を見てまわることにしたようだ
声をかけた相手に一瞬不思議そうな顔をされ、苦笑いが漏れた。「良かった。骨兜無しでも思い出して貰えたなああ、稚拙ながら…踊るよ。相手が踊りの名手だから期待するならそちらだな」会場内へ視線を彷徨わせる青年を見て、先程少女へと微笑んでいた事を思い出し「おっと、挨拶に向かう所だったか。邪魔をした…また後程。…友達を100人……?が、うまく行けば蒼井も踊るといい。楽しみにしている」真面目にそう言って礼をした。
ミーティアからの問いへは軽く頷いて肯定する。「酒は好きなんだが…眠くなってしまう」そう言って、まだ半分程残ったグラスの中を覗き込んだ。微かに甘い、上等なワインの酒気が香る。それに惹かれてうっかり手に取ってしまったのだそれほど強くないだろう…と、踏んで飲み干す「良い匂いだ…残してしまうのも、勿体無い」ミーティアへとグラスを返し、交換にジュースを受け取った。「有難う、助かる。これで酔いを醒ますよ」そうして入口へと風に当たりに戻ることにした微かに喉に残る熱が心地良い
嗚呼、しまった。そう気付いたのはつい先程。会場に足を踏み入れてすぐの事だ。忘れ物をしてしまった。恐らくは自宅にだろう。戦後、諸々の庶務が重なり、それらを全てこなした後、これまた早急に舞踏会用の身支度を整えた訳だけれど。『急いては事を仕損じる』月光の諺の通り、ツメを誤った。紺色の礼装は勿論着用しているが、大事なモノを一つだけ。我も惚けましたわね。これだから歳は取りたくない。給仕の合間を見計らい、ウェイターに近付いて。「御機嫌良う。御時間宜しいかしら? 伺いたい事が。衣装の貸出等、此所でしておられまして?」
会場を見渡して。見知った顔がちらほらと。その中に、間違うはずの無い人の姿を見つけて少しの安堵。人込みはあまり得意ではない。急いで歩くことの方がずっと無茶な話。急く気持ちとは裏腹に、ゆっくりと足を彼の元へ向ける。側で立ち止まって、そっと彼の腕を掴み、「おひとりですか?」なんて白々しく聞いて。
絡んでくる腕の感触に漸く実感が伴う労いの言葉を彩る笑みが何時もと少し違って見えたのは場の雰囲気のせいだろうかそれを見れただけでも誘ったかいが有った「あぁ、そうだね。衣裳部屋に行く前に軽く何か飲んでおこうでは誰かにお願いして」すっと場内を見回すと、普段見ない衣装に身を包んだ知人が目に入り、少し口元が綻んだ目当ての手空きなスタッフは見当たらなかったが仕方が無いと隣を見て「少し失礼するよ」空いている手をテーブルに滑らせ、並んでいるグラスを一つ取る注がれたのはシャンパン「これで良し。さ、乾杯しよう。今宵が良い夜となるように」乾杯、と囁いて少しだけグラスを掲げた
リン、とグラスの触れ合う音に顔を向ければ、そこに立っていたのは物静かな雰囲気の女性の給仕。差し出されたグラスには白ワイン。ありがとう、と受け取った。「野辺の雑草にだって水分は必要よね。ちょうど喉が渇いていたの。ありがたくいただくわ」そう言ってグラスに口をつける。すでに会場の雰囲気に飲まれ、圧倒されていた。少しくらいアルコールを入れたほうが寧ろ落ち着けるかもしれない。「ほら、綺麗な花たちが続々とやってくるわ。楽しみね」
グラスが空になり、スタッフを呼ぶミネアさん。どうやらワインがお好きなようで…まぁ、普段から飲みなれてるみたいだから多少飲んでも平気なんだろうな。俺は情けないことにお酒が飲めなくて…本当はワインを飲んでみたかったけれど、醜態を晒すわけにも行かないので、ここはぐっと我慢。トレイの上の飲み物をみても見た目だけではお酒なのかどうかわからず、聞いてみることに。「すみませんが、ソフトドリンクってありますか?」
傍らにあった上品な木目調の台車の上に並んだ空のグラス、それから、色とりどりのドリンクに目をやった。ヒカ、アルコホル苦手だもんね。それに、ばたばたしたから喉に軽いモノがイイように思う。(ヒカが好きなのは。)グラスを手にして、氷入れて。「はい、レモネード。」口に合えばイイなぁ。思いながらヒカに手渡した。レモネードの甘い香りに触れて、ワタシの喉もソレを欲しがっている事に気付く。一緒に自分の分も淹れてみた。「ん、おいしーねv」甘くて酸いくて、さっぱりしてる。
ふとヒカの肩越しに、覚えのあるお姿を発見。アキさんだwまた会えた!アキさんは、スタッフさんにドリンクをお願いしているよう。今、邪魔しちゃ悪いなぁ、と思いつつ、久々に会えた喜びで、うずうずする。「ね、ね、ヒカ、アキさん来てるよ。ご挨拶したいね。」ご友人の方は、スタッフさんかな?忙しくしているから、待っているのかも知れない。…や、問題は向こうがワタシを覚えているかどうか。ワタシが一方的に友好感情を持っているだけ感は否めない。頑張れワタシ!勇気を出すのです!(違?…とりあえず、小さく手を振ってみた。
何にしようかな・・・一杯あって目移りしちゃう沢山並んだドリンクの瓶を前に、悩み顔「はい、レモネード。」ジェイからさっと差し出されたグラス「わぁ、アタシの好きなレモネード!覚えててくれたんだ、ありがとうv」グラスを受け取けとり、レモン色のその飲み物をまずは一口飲んでみると、とたん爽やかな酸味と甘味が口一杯に広がるその後は喉が渇いてたので、すぐに飲み干してしまったカランカランと残った氷がぶつかる涼し気な音「ん、おいしーねv」ジェイもいつの間にか同じものを作って飲んでいる「うん、とっても美味しい♪」喉の渇きと共に、なんだか気持ちも凄く爽やかに満たされて行く
喉の渇きも癒され、カラカラとグラスの氷を転がしていたら「ね、ね、ヒカ、アキさん来てるよ。ご挨拶したいね。」ジェイにそう言われ、つと振り向くと、そこには見知った銀髪紅瞳のにゃんこさん「わ、ほんとだアキさんだ!うん、ご挨拶したい♪」遠慮がちに手を振るジェイの後ろから、アタシも同じ様に、でもジェイよりは少し必至に手を振ってみる気付いてくれるかな?(どきどき
飲み物を迷っていると、自分の名を呼ぶ声がした気がして振り返った。するとこちらに小走りで近づいてくる女性が。いつもの姿を違う為、一瞬キョトンとしつつ、遅れながらも挨拶を返す。「あ、お久しぶりです、Rayさんこそ…陰ながらご雄姿、拝見させていただいてます(ニコリ)」‥……えー、っと。何やらRayさんにジロジロと見られているような気がするのだけど、どうしたらよいものか。とりあえず笑顔を返しておこう。多少引きつり気味なのはご愛嬌ってことで…そんなことをしているとRayさんのパートナーらしき方が。「初めまして、トウマと申します。良しなに(ニコリ)」
「可愛い姫君にお相手して頂けて、わたしは大変幸せ者だ …あなたも、とてもお美しい」身内に会えて安心したのだろう、姫君の表情はとても柔らかくなっていた「あなたにお会い出来て良かった… さて、我々はそろそろ着替えに行くとしよ、う…」「…?」姫君は、何やら熱心にこちらを見ているようだった澄んだ空を思わせる青い眼が、とても綺麗だ姉君に会釈すると、姫君の手を取り、ゆっくりと歩き出すホール内を見渡すと、随分ひとが多くなってきたことが見て取れた見知った者も、恐らく来ているのだろうあとで、探してみることにしよう「では、後ほど…楽しみにしているよ」軽く手を振り、別れる
友達100人計画をファンデムにも聞かれていたらしい。突っ込まれずに普通に会話されるとそれはそれで恥ずかしいものがある。素知らぬ顔で受け流したが。「ああ、成程。酔いが回ると眠くなるよな」交換を、と思ったが受け取る前にグラスは空になった。勿体ないという言葉に苦笑しながら新しいグラスと交換する。「どうにも眠くなったら休憩室を貸すよ」酔いを覚ましに言った背中にそう告げて、ついでに会場内を一望する。
おや、先ほどは気が付かなかったがワーキャットの青年が。「すみません、何か飲み物いただけますか?」目があったら緊張した様子でそう言われたので、出来るだけ人当たりが良さそうな笑顔を作る。笑顔は無料、実にいい言葉だ。…気を抜くとニヤリと笑ってしまう自分の笑顔を望む者もそう居ないだろうが。「アルコールが大丈夫ならまずはシャンパンをどうぞ」すっかり板に付いてきた仕草でグラスを差し出す。そう言えば、とスタッフの一人に言われたことを思い出し、ワーキャットの青年に耳打ちする。「“彼”、後から抜けてくるそうだよ」それまではアルコールでも楽しみながら、緊張をほぐしてくれたらいい。
「領帯(ネクタイ)とやら言うのは、これであっているのですかね…」思わず呟いてしまう。来る前に何度も書物で確認した筈ではあるが実際に身に着けてみると、何処かおかしいのではないかと不安になる。こういう時は堂々とするべきだろう、と自分に言い聞かせる。そんなことを考えているうちに相手の女性はもう人ごみの中で談笑しているようである。踊りが始まるまではまだ時間があるようなので少し会話でも交わして落ち着いておかなければ。見れば見知った顔もちらほらと見える。話しかけても普段とあまりに違う格好なので、或いは気付いて貰えないかも…。でもそれはそれで。かえって面白いかもしれない。
ワインを飲む客人の様子をそれとなく伺う。待ち人がいるのか不明だが、如何やら彼女は敢えて移動せぬ様子だ。この位置はホールを見渡し易い筈で。「すべからく御客人は花ですわ。 野に咲く花も可憐な風情を湛えておいでで」一線を画しているような彼女の物言いに、花には貴女も含まれると言外に匂わせる。ただし、雰囲気に慣れるのは人其々であるから無理強いする気は無論ない。「はい。私共も嬉しく思います。 御客様…宜しければテラスにて、ワインを楽しまれながら暫し涼まれては如何でしょう? それに、先客との出会いがあるやも知れませんよ」片手で方角を示すと、トレーを手にしたまま軽く会釈して離れた。
壁伝いに移動を再開して間もなく、別の客人に呼び止められる。記憶を探るまでも無く、日頃から御世話になっている女性だった。いや、何と言っても娘御がいるのだし貴婦人と言うべきか。「はい。如何なさいまして、ミセス・ゼレナリュシュ。 貸出は衣装部屋にて承っておりますわ。そちらで御気に召すものを御選び下さいませ。 ふふ、貴女なら何を着ても似合いそうです」仕事に追われる日々を過ごされていらしたらしく会わない日々が続いていたが、此処で会えた嬉しさを表情に表す。なにか忘れものかしら。完璧主義の彼女にしては珍しいことだった。トレーを片手に持ち直し、またも身振り手振りで道案内を努める。
ワインを受け取り、「有難う」軽く微笑んで、「ま、ホントならブランデーのが良かったんだが…格好が格好だしさ」ウェイターの彼にこっそり小声で打ち明けて苦笑する。「すみませんが、ソフトドリンクってありますか?」そんな今宵のパートナーを見守りながら、ワインに口をつけると、声をかけられた。
最初に声を掛けて来たのは、所属していたハルベルトチームのオーナーの妹であるアンデッドの少女。薄水色のドレスがよく似合っていて可愛らしい。彼女の洋装を見るのは初めてではないだろうか。「久しぶりだね…敵としてではなく会えるのは不思議な感じだな」くすくすと彼女の笑顔につられて顔が緩む。「と、すまない。はぐれてしまって・・・おや、これはこれは」続いて近付いてきた青年は、同じハルベルトチームで戦った同志。「おや、ソラン殿じゃないか…随分印象が変わるね」黒のタキシードに金の装飾のある普段とは違う彼。ほんの少し苦笑した彼を見逃さなかった。「ん?どうした?」
「すみませんが、ソフトドリンクってありますか?」そう聞かれ、一つだけ乗せていたソフトドリンクのグラスを少し前へ。「ソフトドリンクは此方のマスカットのクリアドリンクになります・・・お待ち頂けるのであれば、ご希望のソフトドリンクをご用意できますが?」数少ないトレイの上のドリンクに少々申し訳なさを感じ、なるべくご希望のものをと。
「有難う」ワインを受け取った女性が小声でブランデーがと打ち明けてくれた。(ブランデーか・・・ソーダ割りなら細いグラスを使えば見た目もシャンパンと変わらないな・・・)ソーダ割りならと声を掛けようとしたが、知り合いの方と話しをしている様子、知り合いの方々にも「いらっしゃいませ」と一礼し一歩後ろに下がった。
『あ、お久しぶりです、Rayさんこそ…陰ながらご雄姿、拝見させていただいてます(ニコリ)』『久しぶりだね…敵としてではなく会えるのは不思議な感じだな』お二方とも普段見ている張りつめた緊張感を感じさせない感じの笑顔で返してくれ内心ホッとする。こちらも同じかもしれないけど、正直キツイ・怖い・冷淡・突っ込まれたら頭を取られそう、な印象が一気に解けた。(…言えないけどね…絶対)『と、すまない。はぐれてしまって・・・おや、これはこれは』二人と笑顔でお喋りしていると、後ろから私のダンスパートナーのソランさんが加わった。
(うわぁ、カッコいい!)ソランさんも普段は厳つい騎士姿ですが、その姿は全く違う好印象。…いえ、普段も好印象だけど(^^;私なんかでは不釣合いなのではと笑顔の裏では心が痛む。『ん?どうした?』少しソランさんのほんの僅かな苦笑にミネアさんが問いかけた!?(きゃ〜〜!私のせいかも〜!?絶対不釣合いなのよ〜!?)「ソランさん、私なんかでごめなさいごめんなさいx10。トウマさんとかミネアさんとか凄くお似合いだし…私も頑張るから〜!」私に棘なんて文字は無い!しかもそれどころでも無い!ただただ自分が悪いと思い込む。
心は恥ずかしい、何言ってんの、が一杯で熱くなる。「それ頂きます!!」近くにスタッフが居たので、持っていたトレイの飲み物を適当に取ると一気に飲み干した。「…これ、美味しいですね。おかわり下さい^^;」死んでる身体だけに、いくら飲んでも酔わない身体だが、飲まずにもいられない。。。以前、人だった頃に酔ったこともあるのでこれで少し強気になったと思い込むには丁度良いかも♪
スタッフに声をかけていると聞き覚えのある声が・・・「ね、ね、ヒカ、アキさん来てるよ。ご挨拶したいね。」「わ、ほんとだアキさんだ!うん、ご挨拶したい♪」俺の名前が聞こえたような・・声のする方向をみると見知った顔が手を振ってる。嬉しくなり、俺も手を振り返し声をかける「やぁ、クラシカさんにヒカじゃないかwなんかなっ俺、すげー緊張しててさ、二人に会えてホッとしたよ。(半泣き」見知った顔にホッとしたところで、スタッフの方に声をかけられる。
スタッフの方が気付いてくれたすかさず「飲み物いただけますか?」と聞いてみる。素敵な笑顔の紳士だ・・・と思いながら(笑「アルコールが大丈夫ならまずはシャンパンをどうぞ」とグラスを差し出され、とある人物の顔を思い出す。(たしか未成年は酒を飲むなといわれてたな・・とが、そんなことはスルーだスルー。自分に言い聞かせグラスを受け取り。「アルコール、ばっちりイケます(ぐっ」いいながらグラスのシャンパンを飲もうとすると、素敵紳士から耳打ち。「“彼”、後から抜けてくるそうだよ」うわぁ、アルコールがバレたら大変だ(笑「ありがとう」と苦笑いでシャンパンを一気飲み(待
「白桃は…とても、とてもすきです…vたんさん、は…」そこで一瞬少女の言葉が途切れる。「だいじょうぶ、です…v」しかしすぐに聞えたその返事と、ふんわりとした微笑みとその雰囲気に。不安になりかけたことなど忘れてしまい、思わずつられてこちらも笑顔になる。「よかった…それじゃあどうぞっ、炭酸は一気に飲まないように気をつけてね?」普通ならそんな注意などいらないのかもしれないけれど、渡す際つい付け足して言ってしまった。言っておかないと心配な雰囲気があるなぁ、と思ったのは内緒の話。
「それじゃあ千さんどうぞ!それと…こちらでいいのかな?どうぞっ」そのまま千さんにシャンパンを渡し、白い正装に身を包んだ青年にも近づきシャンパンを渡す。フォークに刺さった果物に一瞬視線を集中させてしまうが、凝視はまずい。さりげなく目をそらす。隣のテーブルにあった、フルーツ籠をさりげなくこちらのテーブルに移動させてごまかす事にしたようだ。
蛍に暫しの別れを告げ全身を使って道案内してくれる彼女の背中を追って静かに歩む。一定のリズムを崩さず大勢の人々の間を縫うようにして。「…これだけ人が多いとね。ある程度余裕を持って準備した方が無難なような気がしてきました。…フフ。期待に応えられる様に頑張りますよ。貴女もお仕事頑張ってね…アンリ」給仕の仕事に戻らねばならない彼女に穏やかに微笑みかけ労いの言葉をかける。彼女が仕事に戻ると少年は静かに歩を進めた。大勢の人の中には何人か見知った顔もあるが今は暫し、休息を取りたい。
少年は後ろでに手を組むと静かに歩を進める。可憐な花々や紳士の間を通り抜けると少年の身体から僅かに百合の香りが漂うが恐らく誰も気付くまい。可憐な花々の香りがそれぞれのパートナーを虜にしているのだから。仕立てた服が出来るまで衣裳部屋に向おう。眠り姫がこちらに来ても戸惑わないように。けれど…その前に。衣裳部屋の近くに見える大きな窓の前で少年はそっと胸元に閉まった細身の煙草を取り出すと小さな灰皿を持って蒸かしはじめる。「…ここで人を観察するのも面白いでしょうね…くすくす」衣裳部屋にはもう既に人がいるんだろうか…?
「初めまして、トウマと申します。良しなに(ニコリ)」ミネア殿のペアの方が一礼をする。これはまた柔らかい風を持った方だと思った。「挨拶が遅れて失礼。自由騎士のソラン=シレジアです。 よろしく」こちらも笑顔で礼を返す。こうして、4人で話していると、一瞬の隙を見てした苦笑がミネア殿にばれた。いやはや、流石と言うべきか。(本当にトゲが刺さる(ぉ))別に何も、と言い返そうとしたその瞬間、「ソランさん、私なんかでごめなさいごめんなさいx10。トウマさんとかミネアさんとか凄くお似合いだし…私も頑張るから〜!」Σ突然Ray殿が謝りだした。一瞬何が起こったのかわからなかった。
続けて彼女は手に取ったグラスの中身を一気に飲み干す。おお、酒は強いんだな。と、感心する。実は私はあまり酒は飲めない。と、そうじゃない。ようやくソランは口を開いた。「何を持って釣合うか、という基準はわからないが、 私はそんな大した人間ではないよ。ただの流れの傭兵だ。 せっかくの見知った仲でのペアだ。ラクにいこう」と、笑顔で語りかけた。
ソフトドリンクを勧めていると・・・「それ頂きます!!」そう言ってグラスを取った女性は、一気にグラスを空にした。(豪快な飲みっぷりだな・・・)少々女性に対し失礼かと思われる様な事を内心思いつつ、おかわりが欲しいと聞き、空のグラスを受け取った。トレーを見れば進めていたドリンク意外のグラスが空になっていて・・・(これは一度厨房の方に戻らないと)「申し訳御座いません、ご用意していた飲み物が全て無くなってしまい・・・少々お待ち頂いても宜しいですか?」そう、4人の男女に告げる。
「やあ、リズ。もちろんお1人ですとも」腕を掴まれるのに合わせて彼女に向き直る。「ちょうどリズを探していたんです。いやぁ、想像以上に賑やかで、少しばかり焦りましたよ」もちろん、こう言った場所において賑やかだというのは良いことなのだから、わずかな間でもはぐれてしまうくらいの賑やかさというのは、すばらしいことだ。「こうして出会えたわけですし、今後はもうはぐれないようにしてくださいね。もっとも、そう言ってる私もはぐれないように気をつけないといけないんですが。とは言え・・・」腕を掴まれたまま移動を開始する。「ここには料理がないから、まずは料理のある場所へ行きましょうか」
私と目が合うと、ネスカート殿は更に顔を赤くし、黒崎殿の背中にさっと隠れてしまった。あれ?なんか不味いこと言ったかな?困り顔の黒崎殿殿の影から、彼女は恥ずかしそうに私の顔を見る。「その格好は…スタッフなのね」そうなんですよと、出来るだけ優しく微笑んでみても彼女は前へと出てこない。うーん、何でだ?差し出したドリンクも行き場を失う。
手元のシャンペンを見て、ふと思い付いた。これで少し彼女の心を和らげてみよう。「少し待っていて下さいね」私は一旦後ろへ下がり、カクテルを作っているスタッフに声を掛けた。「これにそのシロップを入れて。1つは飾りに付けてくれ」再び二人の前に行き、背中に隠れたままの彼女にグラスを差し出す。淡く赤い色の着いたシャンペン。中で小さな苺がゆらりと揺れる。「苺のシャンペンです。可愛らしいでしょう?」甘い苺の香りがふうわりと漂った。
『ミセス』そう呼ばれるとは予期していなかった。危うく吹き出してしまう所だったではありませんか。未婚の母はミセスで良いのかしら。そんな些細な疑問が浮かぶ。「有り難う。貴女の給仕も様になっていらっしゃいますわ」ええ。盲目であるとは思えない程に。或いは目が見えないからこそ、ゲストが何を要求しているのか的確に察知出来るのかも知れないが。嬉しそうな笑顔を湛える彼女。その貌は、何処か安堵しているようにも見える。こうして話をするのも随分と久しい。身振りを交えて案内をするその姿に、自然と笑みが零れた。ただ、惜しむらくは彼女自身が着飾っていない事。
「そうそう、アンリ。給仕に相応しい装いも存在しますの。 宜しければお召しになっては如何? きっと似合いますわ」黒のロングスカートに控え目な装飾の白いエプロン。俗にヴィクトリアン=エプロンドレスと呼ばれるアレだ。いっその事、誕生日のプレゼントにしてしまおうか。「案内頂き、感謝致します。それではまた後程。 嗚呼、あと。お誕生日おめでとう」艶めく麻色の髪と、形の良い頭を一度だけ撫でてから。その場を後にした。勘の鋭い彼女の事。我が何を考えていたのか、気付いているかも知れない。「ええと、此方で良いのかしら」案内の通り、恐らくは衣装部屋と思われるドアをノックする。
トレイの上にあったソフトドリンクは一杯だけだったようで、少々申し訳なさそうに勧められる。「あ、それでいいですよ!有難うございます。こちらこそ戻るところを呼び止めたようですいません…」飲み物を渡したのち、案の定足早に戻るライファさんを見送り。先ほど受け取ったグラスを眺めてみる。確かマスカットのクリアドリンクだとか。透き通っていて綺麗で、飲んでみるとなかなか爽やか。「美味しい…」これは久々にハマったかも。そういえば、ミネアさんはブランデーも飲めるんだって。いいなぁ…ちゃっかりさっきの会話を聞いてたエルフなのでした。(耳長いからか良く聞こえるんだよ)
ソランさんは自由騎士だとか。笑顔が素敵な方だなぁ。俺もソランさんみたくなりたい…きっと無理だろうけど。ところで。ソランさんの隣にいるRayさんは先ほどから黙りこんでいるようだ。どうしたのかと近づくと、『正直キツイ・怖い・冷淡・突っ込まれたら頭を取られそう、な印象が一気に解けた。…言えないけどね…絶対』‥…Rayさん、心の声が駄々漏れです(苦笑)そういえば。ふと思ったのだけど、俺以外皆さん傭兵(騎士)では…普段から平和ボケしている俺には殺伐とした雰囲気はないと思うんだけどな。
先ほどから少々トリップしている様子のRayさん。今度はソランさんに、「私なんかでごめなさいごめんなさいx10。トウマさんとかミネアさんとか凄くお似合いだし…私も頑張るから〜!」と言っている。何を言う。二人こそお似合いじゃないか。ミネアさんには申し訳ないけど、俺低いし、武道なんてからっきだし。…あ、なんか泣けてきた。もしやさっきのドリンクにお酒が入ってたのでは(違なんて凹んでも今更だし。ミネアさん、ダンス楽しんで踊りましょー(ニコリ)
何故、私が朔耶さんの後ろに隠れたか分からない。といった感じのティエンマさんだったが、何かを思いついた様だ。一言残し、ティエンマさんは後ろに下がっていった。そして帰ってきた彼の手には可愛らしい液体が。「苺のシャンペンです。可愛らしいでしょう?」…恥ずかしがってる場合じゃないかしら。「ありがとう」そう言って、まだ少し恥ずかしいがグラスを取った。
アンリエッタ様とはまた舞踏会の後日にお話の約束をし、給仕の仕事に戻ったアンリエッタ様と衣装を着替えに行ったルキア様を手を振り見送った。「……少し、休もうかしら。」少し緊張で知らずに疲れていたみたいだ。幽霊はそうつぶやくと壁側に移動を開始した。見知った人が居ないか壁側で休みながら見渡した。
「それにしても、人が多い…」シェラザードはやや疲れたように嘆息する。彼女は普段は目を開けないため、その個人の持つ魔力や霊力を感知して判別を行う。これだけの人がいるとそれが混ざり合ってなかなか判別が付けられない為、疲れるのも当然と言えた。「こういうときはやっぱり目を開けた方が楽なんだよね」でも開けられない。理由はまだ彼女が未熟で自分の魔力を制御できないから。早くダンスの相手が現われてエスコートしてくれないとまいってしまうかもしれない。そんなことを考えながらシェラザードはグラスのミルクを一気に飲み干した。
「ソランさん、私なんかでごめなさいごめんなさいx10。トウマさんとかミネアさんとか凄くお似合いだし…私も頑張るから〜!」そのままトレイにあるグラスを一気に飲み干す。急にパニくりだしたRay殿。「…これ、美味しいですね。おかわり下さい^^;」「申し訳御座いません、ご用意していた飲み物が全て無くなってしまい・・・少々お待ち頂いても宜しいですか?」申し訳なさそうにするスタッフの彼に、「大丈夫、どうにかしとくから。何か落ち着くようなさっぱりした飲み物でも持ってきてあげてくれないか? 女の子だし、甘いのとかでもいいかもしれない」こっそりと告げて。
「何を持って釣合うか、という基準はわからないが、 私はそんな大した人間ではないよ。ただの流れの傭兵だ。 せっかくの見知った仲でのペアだ。ラクにいこう」笑顔で語りかけるソラン殿。流石は騎士といった所か。「いや、落ち着いてRay殿。俺なんかより全然可愛いんだから、それで謝ったらソラン殿に失礼じゃないか?」柔らかく微笑んで。ふと横のトウマ殿が何やら沈んでるというか…(アレってアルコール入ってないよな…?)「得手不得手なんてのは誰にでもあるさ、こんな会場でソレを気にするなんて野暮ってモンじゃないのかい?」ワイングラスを傾けながら軽く微笑んだ。
ドレスに着替え、翼も髪も綺麗に整えられて。化粧の仕上げを施されている最中。衣裳部屋のドアがノックされた。「…んむ?」振り向こうとすると、『あ、動いちゃ駄目ですっ』スタッフの両手が頭の側面に添えられて。ぐぎっ! と鈍い音がした。無理矢理正面を向かされたのだ。「いででででででっ!」『ごめんなさいー』酷いや、と首をさすりながらぼやいて、別のスタッフがドアへと向かうのを鏡越しに眺める。
探していたと言う彼の言葉に、少し嬉しくなる。「この移動の間にはぐれたらちょっとした笑い話になりますよね」移動を始める彼の腕を、はぐれないようにしっかりと組み直し。人込みをぬって歩く。…こう言う場所も、やはり慣れていたりするのだろうか。思わずじっと見上げて。気付かれでもしたらこれは大層困る状況。けれど言い訳も思いつかない。隣にいる人が普段と変わらない様子な事に少し安心しているとも言いにくい。「豪華な料理といえば絶対肉だと思うんです」反面、考えていることは目下食べることくらい。言い訳の変わりに出てくる言葉に脈絡はあまりない。
『申し訳御座いません、ご用意していた飲み物が全て無くなってしまい・・・少々お待ち頂いても宜しいですか』一気呑みとお言葉を返してくれたスタッフがこれもまたかっこいいライファさんだった事に少し落ち着きを取り戻す。『何を持って釣合うか、という基準はわからないが、私はそんな大した人間ではないよ。ただの流れの傭兵だ。せっかくの見知った仲でのペアだ。ラクにいこう』さらに笑顔のソランさんの言葉。私が少し的ハズれな勘違いがあったのかも、と気づく。
『いや、落ち着いてRay殿。俺なんかより全然可愛いんだから、それで謝ったらソラン殿に失礼じゃないか?』そう笑顔で話ながらミネアさんもライファさんにヒソヒソ話をしている。(んっ??んっ??私のせいでソランさん苦笑してたんじゃないの??)私の事に対してのソランさんのさっきの苦笑も、私の勘違いの不釣合いって事では無かった事にようやく気がついた。まずはライファさんに謝らないと、「ライファさん、御免なさい。どなたかの注文のお飲み物を勝手に飲んでしまいました。もう大丈夫!次にいただく物はおまかせ致します」
ふとトウマさんを見ると、少々テンションが下がっている模様。そこに素早くミネアさんが、『得手不得手なんてのは誰にでもあるさ(略)野暮ってモンじゃないのかい?』(おぉ〜〜、さすが気の利く女性です。私なんかお酒で酔ったのではと思いました。見習わないと。)少々、勘違いも解け周りの雰囲気に慣れ始める。「ごめん。みんなで楽しい舞踏会にしないとね♪もう大丈夫!ほらっ!トウマさん!!ミネアさんと楽しく頑張るんですよ!私もソランさんに負けない位凄い頑張るんですから!?」思わず気合とハイテンションと笑顔でトウマさんの肩をバシバシ叩く。棘復活v
一生懸命手を振っていたら、アキさん、気付いてくれた。やた! 何より、覚えてくれてた。思わず、照れ笑いが零れた。アキさんがコチラに向かってくるのが見えて、ヒカと頷いて、一緒にアキさんに向かって移動する。「やぁ、クラシカさんにヒカじゃないかwなんかなっ俺、すげー緊張しててさ、二人に会えてホッとしたよ。(半泣き」アキさん、至極緊張してたみたい。涙目の様子に、コチラがおろおろしてしまう。「ワタシもアキさんのお元気なお姿見れて、本当嬉しい。うん、ワタシもどきどきしてる。だいじょぶだよ、きっとみんな同じ気持ち。」アキさんの緊張が解れたらいいなぁと思いつつ、へらりと笑ってみた。
ご挨拶を交わすのと少し前後、スタッフの方がシャンパンをアキさんに差し出した。アキさんが、見事な呷りっぷりでそのグラスを空けたのを見て、心の中で小さく拍手。小さく何かを耳打ちされたアキさんの表情は、多少緊張が解けたように思えた。どんな魔法使ったんだろう。スタッフさんてすごいなぁ。や、アキさんお酒大丈夫なのかな。「お酒飲んでだいじょぶ?レモネードならさっき見つけたよ?」不意に心配になって、そう言ったけれど。待合室で、駆けつけ一杯のシャンパンを飲み干した、アキさんより年下の者が言ってはイケナイ。うん、内緒w
衣裳部屋へ、そう言われて、改めて彼を見るシャンパンを注ぐ手元は、どう見ても給仕服だった「…気付かなかったわ…」呆れたような、感心したような、微妙な声音でポツリと呟く普段の服装のイメージもあるだろうが、随分と注意力が散漫だ少しばかり浮かれているのかも知れない其れも良いかと一人頷いて乾杯と囁く彼に応えて、此方も再度グラスをかざす酒には酔わない体質だけれど、今夜はこの空気だけで酔えそうな気がした一息ついてから、「ところで、衣裳部屋の場所は、ご存じ…?」他のスタッフを探せば良いものを、敢えて問いかける
『オトナできらきら紳士』…。口の中で復唱し、遠く虚空を眺める。少女の放つ言葉は時々本当に意味不明だが、相手はうら若き乙女だ。きっと、イイ歳した自分如きには理解できない思考回路を持っているのだろう。「…どこかで桜の飲み物と、軽く酒…」彼女の言葉を流しながら、人波の間から覗くテーブルの上に目を凝らす。少し酒を入れて緊張をほぐしたいところだが、会場内はスタッフを呼び止めるのも気が引ける人混み。ここまでとは正直、想像していなかった。「こんなに人が多い所は久し振りだな…飲み物持って、テラスでゆっくりしようか? それとも知り合いいた?」人波と、傍らの少女。それらへ交互に目を向けた。
「大丈夫、どうにかしとくから。何か落ち着くようなさっぱりした飲み物でも持ってきてあげてくれないか? 女の子だし、甘いのとかでもいいかもしれない」こっそりと告げる女性に頷き、ノンアルコールの飲み物を多めにお持ちしますねと小声で返す。(きっとアルコールが入った物よりも落ち着くだろう)種類が多いドリンク、どれがいいだろうとかと思いながらRayと呼ばれた女性から空のグラスを受け取る、すると女性は申し訳なさそうに話しかけてきて。「ライファさん、御免なさい。どなたかの注文のお飲み物を勝手に飲んでしまいました。もう大丈夫!次にいただく物はおまかせ致します」
大丈夫!と気合いの入った女性の姿が微笑ましく、良かったと笑い掛けるもハッと気付く。(しまった、つい頬が緩んで;)失礼ではなかったかと思いながら、直ぐに緩んだ顔を正し。「いえ、大丈夫ですよ、先ほどのグラスはご注文いただいた物ではないので気になさらないで下さい。おまかせ、ですか?では、私お勧めドリンクを幾つかお持ち致しましょう」実はどれも美味しくて全部お勧めなんですよ、と控えめに笑み。「では、少々お待ち下さい」
注文を受け、足早に厨房へ。(少々硬いだろうか)厨房に戻る間に他のスタッフを探す、見れば自分よりもフレンドリーな接客をしている。初対面の方には特に硬い口調になってしまう事を少し気にしていた。(もう少し、柔らかくなるよう努力せんとな)一人小さく頷き、生真面目なスタッフは厨房へと戻って行った。
アキさんが気付いてくれたので、アタシ達も歩みよると「やぁ、クラシカさんにヒカじゃないかwなんかなっ俺、すげー緊張しててさ、二人に会えてホッとしたよ。(半泣き」ほんとに凄く緊張してたみたいで、半分泣き笑いの様な表情で声を掛けてくれた「今晩は、アキvうん、ほんとに緊張するよねアタシもジェイに付いてて貰ってるのに、どきどきしっぱなしでも、こうやって外でお友達に会うって、なんだか新鮮で嬉しいな、一杯楽しめるといいね」そう言いながら、精一杯の笑顔を作ってみたけど、少し引きつっていた様な・・・思った以上にアタシも緊張してたみたい
「そうだなァ…舞踏会は踊るための場所ですからね。もっとも、実際に迷ったら、後のことなんて考えてもいられなくて、やはり焦るわけですから…迷わないに越したことはありませんね」目的地であるところの、料理の並ぶテーブルに付く。「それにもう、こうして目的の場所には到着しましたから、もう迷いませんよ。後はここから動くこともほとんどないでしょうしね」料理を乗せるための皿を手に取る。「え、いきなり肉ですか?確かに、豪華な食事と言えば肉ですが…思い切りましたね。でも、後になると肉はそれなりに食べづらかったりしますし…うむ、わかってますね、リズ。ええ、では私も肉料理からいきましょう、狼的に」
3人とも一寸緊張気味な笑顔で挨拶を交わしてた頃アキさんが、スタッフさんからシャンパンを受け取り、一気に飲み干した後に「お酒飲んでだいじょぶ?レモネードならさっき見つけたよ?」とジェイが心配そうに、声を掛けてたそれからぼそぼそと、年下がどうとか、内緒とか呟いてるのを耳にして、ふと疑問に思って聞いてみた「ねえ、ジェイ・・・さっき、待合室でシャンパン飲んでなかったっけ?」
「得手不得手なんてのは誰にでもあるさ、こんな会場でソレを気にするなんて野暮ってモンじゃないのかい?」そう言いながら微笑むミネアさん。 「ごめん。みんなで楽しい舞踏会にしないとね♪もう大丈夫!ほらっ!トウマさん!!ミネアさんと楽しく頑張るんですよ!私もソランさんに負けない位凄い頑張るんですから!?」笑顔で肩をバシバシ叩くRayさん。 凹んでいるのを察し、励ましてくれたのだった。「あいたたた…(苦笑)二人とも、有難う。そうだよね、今更気にしてもしょうがないか。俺も俺なりに頑張ることにするよ(ニコリ)」彼女達の優しさにひっそり感謝しているエルフなのでした。
混み合って参りましたのでお客様各位には会場の移動をお願いします新会場はこちらになります引き続き、観談をお楽しみくださいませ【舞踏会】歓談席2http://www.if-kingdom3.com/15-1-4.htm?mid=27592